ちゃおチャオブログ

日々の連続

ルソン山紀行(18)イフガオへ。

バギオを出たマイクロは、市を取り囲むような山筋に沿って走って行く。
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これからバスはルソン島東海岸に向かって山を越えて行くのだ。
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山間の谷の底、山の上、等々、民家、集落は絶えない。皆山岳民族の集落だ。
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深い山と谷が続く。この難所を山下軍団は重い重機を運び、逃避行を行っていたのか・・
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イフガオの州都、ラガウエの手前で女子大生のFloridaさんは下車した。イフガオ人だ。
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今回のルソン訪問には幾つかのテーマがあった。その一つが最初の日に追剥にあったマニラ湾の夕日。それから山下大将が最後に逃げ込んだ山奥の土地。更にその先のバナウェイの棚田。で、もし尚時間があれば、ルソン最北の町、ビガン訪問だった。朝8時、バギオをから乗ったマイクロバスは、棚田の村落バナウェイ行きで、イフガオはその途中にある。イフガオ州の州都だ。

バスはバギオの街中を通り過ぎると、直ぐにも山道に入る。道路は山の高い所を稜線に沿うようにくねくね続く。国道沿いには人家が続き、深い谷底の方にも、又、道路があるとも思えない遥か先の山頂の方にも集落が見える。山岳の民の集落だ。こんな山の中の何もない所で、人々はどんな風にして生計を立てているのだろう。森林がある訳でもない、野生動物がいるとも思えない。又、近くには耕作地とか放牧場なども見えない。政府の保護に頼っているのか、都会に出稼ぎに出た夫や子供の仕送りに頼っているのか・・。

こうした山中に切り開かれた自動車道、山頂付近を縫うように走り約2時間経った頃、最初のトイレ休憩となる。そこからは山を下り、大きな国道に出る。山道から平坦地の人口の多い地域に入ったのだ。ルソン島南部から北部に通じる幹線道路のようだ。暫らく走るとソラノというかなり賑やかな街にでる。ここは昨日通ってきたアンヘルスと同じ位に大きな街のようだ。フィリピンの主要都市の多くは、スペイン語風に呼ばれている。このソラーノ、の意味はよく分からないが、アンヘルスは、英語のエンジェルス(Angels)だ。

偶々座席の隣が若い女性で、聞くと、バギオの大学で勉強しているイフガオ州出身の学生との事。今日は、村のお祭りで、実家に戻る処とのこと。山岳民族のイフガオ族とのことだった。イフガオ州の住民の大半はイフガオ族との話だったが、当方が見た限りでは、他のフィリピン人との違いや区別はつかなかった。珍しいので名前を聞いたら、Florida Robler、19歳、バギオのCordilleras 大学で勉強しているとのことだった。

いつか読んだ本の中にこのソラノの名前が出ていた。マニラを追われた山下敗走軍が、重い二式臼砲などを運んでこのソラノまで逃げて来た。もう殆どバラバラの状態で敗走していた山下第14軍の残兵は将軍を要して、北部山岳地帯に逃げ込んで行ったのだ。バンはソラノを過ぎて暫らく走ると又山中の道路を走ることになる。いよいよイフガオ州にやってきた。

道路沿いの人家が又急に少なくなってきた。のんびりした田舎の風景に変わって来た。その山中に入り込んで少し走った辺りで、彼女は下車した。家族らしい2-3人がバス停の前で待っていて、彼女を出迎えた。数カ月ぶりか、何年ぶりかの帰省に違いない。家族の何人かが、彼女を抱きかかえるようにして農道の先の方へ歩いて行った。積もる話も尽きないだろう。バスはそれから更に標高の高い土地に向かって走り、高い山がどんどん近づいてきて、2時、イフガオの州都ラガウエ(Lagawe)に到着した。



ここがイフガオ州の州都だが小さな町だ。ホテルがあるかどうかも分からない。
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バス停の前に屯していたバイクタクシーに聞くと、1軒あるという。そこへ案内してもらった。
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当方以外に誰も泊まり客はいない。Mao Lodge という。600ペソ。
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さて、これから又バイクタクシーを雇い、山下将軍終焉の地に向かう。この橋を渡った先の集落だ。
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