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日々の連続

モラエスの故地を訪ねて(93)イスラム寺院「懐聖寺」の竜眼。

イスラム寺院「懐聖寺」の中庭には沢山の樹木が植えられている。
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イスラム寺院「懐聖寺」の中庭には、鬱蒼とした樹木が生い茂っている。
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流石、中国に根を下ろしている回教寺院だ。
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樹木の一つ一つには名札がついている。
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この木何の木だろう・・
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戦国時代、最初に日本にキリスト教が布教された当時、キリスト教が日本人にも馴染易いように、「南蛮宗」と呼ばれたり、キリスト自身を大日如来になぞらえて「大日様」と呼んだりしていた。同じようにこのイスラム教も中国に進出するに際し、中国化が図られていたようだ。このイスラム寺院は中国風に「懐聖寺」と呼ばれている。寺の名前だけを聞いたら、仏教寺院と間違えられてもおかしくはない。

イスラム寺院はトルコ旅行に際して、幾つかを訪問してきたが、それ等の寺院は偶像を排除し、イスラム文字のコーラン幾何学模様で満たされていた。床はタイル敷で埃も塵もなく、至って清潔で、勿論土足は厳禁になっている。ここ広州の「懐聖寺」では寺院の中には入れずに、中庭を眺めただけに終わったが、建物にしても中庭の樹木にしても中国風だ。イスラム教は砂漠の宗教で、寺院内にはこうした鬱蒼とした樹木が植栽されているのは皆無で、矢張り、ここは中国という温暖な土地にあるイスラム寺院である。

中庭の大きな古木の一つに「竜眼」との名札がつけられている。中国簡体字で書かれているので、「龍眼」が元の正しい文字かも知れないが、いずれにしても「龍の眼」の意味であり、実はこれは南国の美味しい果物だ。皮をむくと中の中心には真っ黒の種があり、その周りを白いジューシーな果肉で覆われている。外観は少し異なるが、中の果肉が同じようにジューシーで美味しいライチと同種の無患子科のフルーツで、楊貴妃がこの果物を大変好み、南方のこの辺りの地から早馬で送られていた、との故実もある。

この二つの果実は二つ合わせて「茘枝竜眼」(れいしりゅうがん・ライチロンガン)とも呼ばれ、自分もタイなどを旅行すると、機会があれば食べていた。その大木がこの庭にある。随分昔の楊貴妃の時代に、既に回教信者が南方から、この暖かな中国南部に持ち込んできたに違いない。関東地方で一番古い古刹深大寺には無患子(むくろじ)の大木があるが、ここ懐聖寺の竜眼もそれと同じくらいに古そうな大木がある。懐かしく眺めた。



ああ、竜眼と読める。
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楊貴妃の好きだったライチ、竜眼だ!随分古そうな大木だ。
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この大木、夏には沢山の実をつけるだろう・・
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周囲の壁は土を乾かしたレンガだったのか・・
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最後にもう一度ミナレットを眺め、この回教寺院を後にした。
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