ちゃおチャオブログ

日々の連続

薩摩・大隅の旅(37)坊津。

枕崎から凡そ30分、坊津へやってくる。
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今から1300年前、鑑真和上が最初に上陸した地だ。
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この岬の下が嘗ての官港、坊津だ。
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岬の上には古びた記念碑なども立っている。
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日本の古代史の重要な場所だ。
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枕崎から少し先、海岸線に沿った道路を一山超えた先に坊津がある。車で行けば1時間もかからない。30-40分程度だ。今朝早くホテルを出て、薩摩半島の先端までやって来た目的は幾つかあるが、今見たばかりの枕崎港と日本最南端の駅枕崎駅を見ること、それからこの先の坊津まで行くことだった。坊津は懐かしい地名だ。

鑑真和上が5度の渡航失敗で、失明までしたにも拘わらず、その目的を失わず、6回目の渡航にして初めて日本の土地を踏むことができたが、そこがここ坊津だ。数回にわたる渡航失敗で、結局鑑真は東大寺の開眼供養には間に合わなかったが、奈良西ノ京に唐招提寺を創建し、日本の仏教発展に多大の影響を及ぼしていた。九州薩摩に来ることがあれば、いつかこの坊津へ来てみたいと思っていた。

港で買った腹もの残りは車を走らせながら食べる。良く整備された道路で、対向車もなく、師走とはいえ、朝日を浴びた山間の道路は春の陽気のようなのどかさで、山を越えた先に小さな集落があり、そこが坊津だ。昔はここが外国との窓口になっていて、朝廷の出先機関などもあって賑わっていたようだが、今は人口の少ない鄙びた村落となっている。そう言えば、大分後年になるがザビエルも鹿児島・前之浜に上陸する直前、一旦ここ坊津に曳航され取り調べを受けている。

集落を通り過ぎた岬の上に鑑真記念館があり、林の中に和風建物が見える。その手前、道路を上り切った高台には歴史センター「輝津館」という大きな建物もあるが、日曜日と言うのに前の駐車場には1台も車は止まっていない。小学生の課外授業では有益かも知れないが、わざわざここまでやって来る観光客も少ないのだろう。岬になっているから両側の海が見える。左側が嘗ての坊津で、大きな湾の入り口付近には幾つかの小島が点在している。懐かしい光景だ。初めて見る景色なのだが、何か既視概念がある。目の見えない鑑真もこの光景を心の目で眺め、どれ程喜んだことか・・。

    < 若葉して おん目のしずく 拭はばな >  (芭蕉



始めてみる海だが、どこか懐かしさも感じる。
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この小島、何か既視概念がある・・
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1300年の時を隔て、鑑真が見たであろう光景を今ここで眺めている。
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岬の上には鑑真記念館が建っている。
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鑑真がここで逗留した訳ではないが、如何にも時代を思わせる和風建物だ。
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