ちゃおチャオブログ

日々の連続

紀の国訪問記(63)熊野川の砂利河原。

突然降り出した大雨は、又さっとどこかへ行ってしまった。

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雨は完全に上がったようだ。河原がまぶしい。

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川は大きく蛇行し、内側に広々とした河原を作っている。

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川向こうには人家がいつまでも続いている。

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急峻な山間を縫うように流れる熊野川は、多くの場所で大きく蛇行している。川が180度向きを変えて流れる場所もある。こうした場所では内側の部分に大きな河原、中洲を作り、そのには大量の砂利が堆積し、積みあがっている。土建業者がこの豊富な砂利に目を付けなった筈はなかったと思うが、今に至るまで手付かずのままに残されている。手付かずの自然が残されている古座川同様、県や行政の強力な開発規制があったものと思われる。神武天皇や、その後の上皇法皇時代に盛んに利用されたこの川の舟運、犯してはならない神聖なものを感じたのか・・。それに反し、天竜川も安倍川も、浜松や静岡辺りでは、大量の砂利が採取され、川は痩せ細っている。日本の河川が痩せ細り、採取し尽され、業者はとうとうベトナムまで出張って、日本まで運んでくる。

 

急に降り出した雨は、又殆ど急に止み、さっきまでの大雨は嘘のように、晴れ間も出てくる。この周辺の河原はあちこちに川遊びのレジャー施設があって、もしもコロナが無ければ、8月の第1週、沢山のマイカーで道路も渋滞していると思うが、今日はすれ違う車も数える程だ。紀伊半島の最南端部とは言え、高速道の発達で、関西圏、中京圏からも2-3時間で来れるだろう。河原も全く無人と言う訳ではなく、何人かのレジャー客、家族連れなどが水遊びをしている。コロナ自粛が解除されれば、ここにも又わっと沢山の客がやって来るだろう。

 

レンタカーなら見晴らしのよい場所に車を停め、河原まで降りて行って、水と親しんだり、或いは那智黒石を探したりもできるのだが、バスでは途中下車する訳にも行かない。次のバスがいつやって来るのか分からないし、来るとしても相当間遠な時間になるだろう。川を大分上流まで上がって来たが、人家は絶えない。このままずっとポツンポツンと十津川村まで続き、その後も吉野まで続いているのだろう。

 

後醍醐天皇が戦いに敗れ、吉野の山中まで逃げてきたが、そうした昔の時代からこの川筋には人家が続き、人を匿い、養うことも出来たのだろう。十津川自体が10の谷川が合流し、各谷川筋には人家もあるのだろう。レンタカーでやって来て、河原に降りなくとも、バスの窓からでも十分に観光することは出来る。車を運転し、前方の交通状況に注意し続けるよりも、バスの中らそうした心配も無く、無邪気に窓の外の景色を眺めている方が、より空想は羽ばたくようだ。時間的にも熊野本宮がそろそろ近づいてくる頃だ。

 

何ていう名前の橋か、今反対側の河岸に向かう。

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ああ、見晴らしの良い場所には駐車場も作られている。

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時間的には熊野本宮に近づくころだ。人家の数も増えている。

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自然の中に生きる民、人々。

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