補陀落渡海への旅（３）朝の江阴路（ジアンインロ）。

朝食を食べにホテルを出ると前の通りで人だかりがしている。 http://static.app.widdit.com/images/features/searchwiddit.png

何か警察官と市民がもみあっているようだ。

又昨夜の食堂へ行き、朝食。

まあ、餃子も緬も安くて、２つ合わせても１０元もしない。 http://static.app.widdit.com/images/features/searchwiddit.png

朝食後、按摩店に行く途中「江阴路（ジアンインロ）」を歩く。 http://static.app.widdit.com/images/features/searchwiddit.png

竹かごの中の昆虫が何かと見てみると、小さなコオロギが入っていた。

上海へは先月来たばかりでまだ1ヶ月も経っていない。泊まったホテルも前回と同じ威海路（ウエイハイロ）にある２４Ｋホテル。ここからは人民広場へも歩いて４－５分の近い場所にあり、何回か往復している内にこの辺りの地理にも大分慣れてきた。

今日の予定は普陀山行の船のチケットをどこかで買うか、このホテルにあるツアーデスクに１泊２日で６５０元のツアーを申し込むか、のどちらかに決めるだけのことだから、殆どすることはない。昨夜ホテルにチェックインしてから早速行った按摩店の阿秀に明日の朝１０時に又来るよ、と言ってあるので、それまでホテルの近くで時間潰しをすれば良いだけのことだ。

朝食を食べにホテルを出た所、道路の直ぐ向かい側で黒山の人だかりがしている。中国は人口が多く、仕事がないのか暇人も多く、ちょっとした出来事でも直ぐに大勢の人が集まってきて、黒山を作る。興味半分覗いてみると、大概は何のこともない諍い程度だ。この大勢の人の輪の中でも警察官と市民とが何かの問題で言い争いをしているが、物見高い人々は遠巻きにしてその一部始終を眺めている。だから警察官も相手がみすぼらしい身なりをしていても迂闊には手を出せない状況だ。

当方中国語も分からず、いつまで見ていても埒があかないので、その場を立ち去ろうとすると、昨夜の食堂のお上さんが挨拶をしてくる。にこにこしながらウチへ飯を食いに来い、と誘ってくる。中国人は商売となると実に愛想が良い。今日の朝食は別の店で食べようとホテルを出たが、ここで顔を合わせた以上は知らん顔も出来ない。結局お上さんの後をついて昨夜の食堂に入った。

まあ、ここで餃子を食べる分には安くて美味しく間違いない。一皿１０個盛られて僅かに５元、７０円程度だから嬉しくなる。それに緬も食べて栄養充分。美麗按摩店に向かうが、まだ時間が早い。時間潰しにそこの通り、江阴路（ジアンインロ）を歩く。

毛沢東が簡体字を導入してから、以前の文字とは似ても似つかない簡体字に換えられているが、この「阴」という文字も以前は「陰」の字。発音が「イン」で同じだから、こんな変な文字に変更させられた。北京でもそうだが、中国の都市の通りの名前は、他の都市名を付けることが多い。上海で一番賑やかな通りは「南京路」だが、この「江阴」も蘇州、太湖のすぐ傍にある都市名だ。日本人には余り馴染みのない名前であるが・・。

ホテルのある「威海路」にしても、山東半島先端部にある有名な軍港「威海衛」から取られた道路名で、日清戦争時の北洋艦隊の基地であったが、黄海を挟んだ遼東半島の先端にある旅順港同様、今でも中国海軍の中心的軍港となっている。歴史好き、戦史好きな人にとっては、この「威海衛」と聞いただけで、日清戦争時の攻防戦を想像するに違いない。

話しはあらぬ方向にそれてしまったが、ここ「江阴路」の特徴は、多くの小動物、昆虫店が軒を連ねているということ。その数数百店。特に多いのがコオロギ店で、小さな竹細工の容器に入れらたコオロギが数珠つなぎに店舗の前にぶら下げられていて、店内の大部屋に飾られている数を数えたら、それこそ１万匹を越える数のコオロギがこの通りの店で飼育されている、と言っても過言ではない程だ。いやー、凄まじい光景でした。