フェリーターミナルの前には瀬戸内航路図が案内されていた。
市内循環バスの停留所もある。バスの本数はそこそこあるようだ。
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城下下の漁港も見える。
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今宇和島、松山と同じように、市内のあちこちからお城が見える。
フェリーターミナルの前から今治駅に向かって商店街が続いている。 -
今治フェリーターミナルの正面から真っすぐ幅広の道路が駅に向かっている。駅まではおよそ７－８００ｍ程か。その左隣には楕円を描くように、駅前道路と並行するようにアーケード商店街が続いている。多分この商店街が駅と港を結ぶ最初の通りで、その後の区画整理で、幅広の直線道路が造られたに違いない。その商店街の入り口に間口を２方向に大きく取った土産店があって、中に中年男性が暇そうにしている。女性ではなく、男性と言うのも珍しいものだが、６０年配の男性はひょっとしてこの店の経営者かも知れない。コロナ禍で土産品が全く売れず、女性店員を解雇して、経営者自らが店に立っているのかも知れない。
どの道自分は暇だ。向こうも暇だろう。冷やかしに店に入っても悪くはない。この町でどんなものが土産として売られているのか見るのも楽しみだ。「いらっしゃいませ」。久しぶりの客なのか、彼は本当に、心のこもった、明るい声で当方の来店を歓迎した。何かを買う積りで入った訳ではないが、何も買わずに出て行くのがお気の毒に思う位、誠実な対応だ。このフェリーターミナルから道路を１本隔てた場所に大型土産店を構えて何年になるか・・。店舗の造りからして３０年以上は経つだろう。今日ほど困難な時は無かったに違いない。お客が途絶え、需要が蒸発した。それでも県境を越えての旅行が解禁されて４日目、自分のような旅行者もボチボチ増えてきただろう。そうした一縷の望みが先刻の「いらっしゃいませ」に籠められていたに違いない。
あれやこれや今治の特産について尋ねる。心の内はどんなか分からないが、飽くまで明るい声で応対する。長年しみ込んだ接客応答は、コロナで店が滅茶苦茶にされたとしても、変わるものではない。商人道、というのか、人間が出来ている。今治名産のお菓子とか、柚子やミカンのジュース類、干物、乾物、等々。興味無さそうに見ていると、主人が言ってきた。「今今治では町を挙げて、コロナ退治のタオルを作っています。今治オリジナルのアマビエがデザインされたタオル」と言って、幾つかのアマビエデザインのタオルを手にして、勧めてきた。ああ、これは良い。孫が二人いるので、孫用に２枚を買った。それに四万十の青さも売っていた。青さは海のものとばかり思っていたが、四万十川でも採れるのか・・。珍しいのでこれも又孫と自分用に買った。金額にしたら千数百円。本当に僅かな額だが、それでも彼は喜んだのか、お土産に小さな飴菓子を数個プラスしてくれた。本当に気持ち良い店で、主人だった。頑張って、生き抜いてくれ！
駅前まで続くアーケード街は、殆どの店がシャッターを下ろしていた。時間はまだ６時。もう店じまいしたとも思えない。今日は木曜日で、町全体が定休日なのか・・。それにしても先刻の土産店だけが開いているのもおかしな話だが・・。この時間でもうゴーストタウンの様相だ。人っ子一人歩いていない。先日、宇和島駅前のかどや本店の近くの老舗店の初老の主婦がぼやくように言っていた。町の中から店がどんどん郊外に出て行ってしまって、街の中心部はどんどん空き家が増えて行く・・。この今治も同じような状況に陥っているのだろう。歯止めは利かない。アーケードの出口の先に、国道を隔ててJR今治駅があった。その隣には、役よりも立派な市役所が建っていた。道路を横断して駅まで行くのも面倒で、そのままÚターンし、大通りをホテルまで戻った。中々食堂が見つからない。途中の一本路地を入った場所に３ー4軒ネオンを点けている飲食店があり、その内の1軒和食の店に入る。お決まりの刺身定食だ。20－30分いたが、最初から最後まで、他の客は入って来なかった。カウンターの内側で中年のマスターが無言で律義そうに刺身を切っていた.
途中からアーケード街になっているが、歩いている人は誰もいない。
