第八十二番札所、根香寺山門。
山中の古びたお寺だ。
山門を入ると、参道は一旦下って、本堂の前で再び石段を登る。
先程のツアーバスの参詣者か。大勢のお参り客だ。
凡そ30名ほどの参詣団。岡山から来ているとのことだ。
いよいよ今日が最後の巡礼の日となった。残り7ケ寺。途中、何らかのトラブルが生じなければ、今日中に結願達成可能だろう。午前4ケ寺、午後3ケ寺のターゲットは十分可能だ。香川は四国で一番小さなコンパクト県で、霊場間の距離も短い。特にこの辺りの丸亀、坂出、高松、琴平等々の市町村はくっ付きあっていて、多分これ等の市町村を全部まとめても、神奈川の相模原市と同じ位の市域だろう。合計の人口も似たようなものだ。従って宿泊先の丸亀駅前アパホテルの朝食は6時半からだが、今日は少しばかりゆっくり出ることにした。早く行ってもお寺の山門は開いていない。
7時半に朝食を終わり、そのままホテルを出発。昨日五色台から走って来た道路を再びUターンする形で、五色台に向かう。今日の最初の訪問先は第八十二番根香寺。昨日のうちに巡拝し終えていれば、今日再び同じ道路を走らせることはなかったのだが、まあ、朝と夕方、同じドライブウエイでも違った光景が見えるだろう。日の出の遅い11月、丁度昨日の白峯寺への分岐点辺りに来た辺りで、旭日が里山にも差してきた。根香寺はこの峠の先だ。昨日白峯寺を後にしてホテルに向かう際、この寺の分岐道を通過しので、土地勘はある。
五色台ドライブウエイからこの寺の取り付け道路に入り、山門前の駐車場に車を止める。9時前、既に数台の車が止まっていて、ツアーバスも止っている。古びて、しっかりした造りの山門が目の前にある。青峰山千手院根香寺(ねごろじ)。ああ、ここは五色の峰の内の青峰だ。白峯寺が白峰。だが山号は白峯山ではなかったが・・。弘法大師創建の由緒ある寺だが、戦国時代に荒廃し、江戸になってから高松城主松平氏が再興し、その時点でこの寺は真言宗から徳川家の菩提寺、天台宗に変えられた。天台宗は昨日巡拝した善通寺にある智証大師の生誕地、金蔵寺もそうだった。又、6月の愛媛、明石寺もそうだった。案外多い。
山門を入ると参道は一旦下り、薄暗い茂みの中を進む。200m先に又登りの石段になって、そこを登った先の正面に本堂がある。先程のツアーバスの参詣者数十人が一斉に唱和している。後で聞くと、朝一番で岡山からやってきたとのことだ。瀬戸内自動車道を渡ってくれば、案外近いのかも知れない。参詣団の唱和が済んだ後、自分も同じように心経、真言を唱える。天台宗であっても、同前の仕来りだ。合唱が終わり、周囲を眺めると、この寺の紅葉も見事だ。昨日白峯寺で見事な紅葉を見ることができ、今日は今日でこの根香寺で紅葉を愛でる。二日間、良い巡礼日和だった。
皆さんの唱和が終わるのを待つ。
この寺も昨日の白峯寺同様、綺麗な紅葉だ。
本当に山寺の趣である。
参詣団のお参りが終わるをまって、自分も合唱する。
本堂の横には胎内潜りがあり、自分も入ってみる。