少し時間の余裕が生まれたので、本堂横の宝物館に入ることにした。
1階展示室は仏像関係が多かった。正面の千手観世音は重文だ。
沢山の手を出して、人々を救済する。
1階内庭の「雪の庭」。丁度見頃の紅葉だった。
本堂横の鳥居は日本三大狸、蓑山大明神が祀られている。
屋島寺の参拝を終えて、後は残り4ケ寺となった。午後の時間に十分回れるだろう。少しばかり時間的な余裕が生まれ、この寺の宝物館に入ることにした。この寺は鑑真和上が天平勝宝年間九州の地から奈良に向かう途中、ここ屋島に立ち寄り、寺を創建したと伝わる。和上が東大寺大仏開眼を行い、奈良に唐招提寺を創建する以前のことだ。宝物館にはどんな宝物が展示されているのか興味もあった。
元々コロナ禍で参詣者が少ない中、宝物館まで立ち寄る客は更に少ないだろう。ガランとした館内で暇そうにしていた二人の学芸員、漸くのお客さんかという愛想いっぱいの物腰で受付までやってきて、「どうぞごゆっくりご鑑賞ください」と。そうは言われても当方ゆっくり見て回る時間もなく、駆け足で回らざるを得なかった。館内には期待していた鑑真の遺品はなく、矢張りこの寺の創建が鑑真ということは伝承に過ぎなかったのか・・。建物は2階建てになっていて、1階には仏像関連の展示品、2回は源平合戦に関連する資料等の展示があった。又、1階特別室には日本画家村田丹陵の源平合戦を描いた大きな双曲の屏風絵が展示されていた。館の内庭は「雪の庭」と呼ばれていて、それ程大きくはない庭園ではあるが、白い凝灰岩が所々見えていて、丁度今の紅葉とマッチしていて、心休まるものがあった。
殆ど駆け足で館内を巡り、再び本堂前を横切る際に再拝し、大師堂、鑑真が祀られている三体堂、千体堂の前を通り、元来た東大門に戻って行った。途中の赤い鳥居は、この寺の守護狸、日本三大狸と数えられている屋島太三郎狸を祀る蓑山大明神が祀られているもので、この神社は堂々と本堂と大師堂の間に収まっていて、正に神仏習合を絵に描いたようなものだった。
屋島寺に関係する仏祖が祀られている。
重文の釣り鐘だ。
朱塗りの東大門に戻って来た。
本当にどこかのお宮さんを思わせる朱塗門だ。
門の前にある紅葉も見事だ。