午後から雨になる予想が、雨も降らず1日薄曇りの晴れだった。今日も各地の公園では桜客が沢山押しかけているだろう。雨にならなければ良い花日和だ。
米国も温暖な春の陽気だろう。昨日のトランプ、Washingtonから早々とフロリダの自分の別荘にやってきて、1日ゴルフ三昧。トランプ関税で世界中の市民が困り、お膝元の米国でも反対デモが各地で起きているが、そんなのは我関せず、相変わらず「米国解放の日」だと、能天気に息巻いている。御しがたいマントヒヒ。
第2次大戦が終わって80年、戦争で疲弊した各国を救済すべく、米国はブレトンウッズ体制で世界経済の活性化、浮揚、経済活動の向上を目指し、多くの国はその果実を得、豊かになってきた。その一番の果実を得たのが米国自身で、世界一の金持ち国になり、覇権国家になった。世界の人々は、その現実を見て、Pax Americanaと評した。18世紀、英国ネルソン提督がスペイン無敵艦隊を打ち破ってから、人々はPax Britanicaの時代がやってきたと評していたが、その英国は第1次、第2次対戦で疲弊し、広大な植民地も手放さなくなり、凋落の激しい英国に代わって、米国が台頭した。
しかしその米国も今から20~30年ほど前からピークを過ぎて、下降が始まった。力を付けた日本やドイツなどの工業製品に国内産業が押しやられ、産業の空洞化が目立つようなり、その頃から、政府はもう世界の警察官は止める、と言い出した。大国としての負担をし続けることに困難を感じて来たのだ。
50年前のベトナム戦争で手酷い負け戦を喫し、その後のアフガンで足を掬われ、イラクでも思うようには進まず、60年前、ロシアが今のウクライナにしているような武力侵攻をしたら、即座に国連軍を形成し、ロシアを駆逐したに違いないが、今やバイデンにしてもトランプにしても、二の足を踏み、口先介入だけで済まそうとした。もう既に米国は世界の警察官の立場を放棄しているのだ。Pax Americanaの陰りは明らかになってきた。
ここへきてトランプの先週2日の突拍子もない高率関税の発動。自由貿易の中から最大の果実を得て来た米国が、自らその権利を放棄し、関税戦争の泥沼に引きづり込み、世界の経済を危機の淵に押し込もうとする。世界が混乱すれば誰が一番喜ぶか。ロシア、中国、北等の独裁国家だ。世界が混乱、疲弊すればする程、独裁国家の力が発揮できるのだ。現にその片割れ、マスクは1個人で51兆円の資産、日本の国家予算の半年分の資産を有しているのだ。
中国、カナダ、EUは既に報復関税を発動した。世界最大の貿易国米国と中国が報復をし出したら、世界経済は途端にShrinkし、各国が勝手な主張を言い出し、挙句の果ては世界戦争に巻き込まれる危険が高まる。この気違いじみたトランプ関税がいつまで続くか予測は出来ないが、いずれにしてもPax Americanaの終焉を迎えつつある。今や、多極化、3極化の時代になって行く、そのとば口に差し掛かっている。世界のカオスを見るために長生きしたのではないのだが・・。
新聞を取って1週間になる。写真に写る人々は皆笑顔だ。長い人生の中、苦労や苦悩も沢山あっただろうが、そのな過去の辛い思いは全く表情に出さずに、皆笑顔で写っている。豊かな表情だ。