
不動産屋はDealerだ。Real Estate Dealer.日本語では千三つ屋とも呼ばれる。本当のところは1000に3つしかないということらしい。昔の日本では不動産屋はだましの典型のような存在と思われていた。
第47代米国大統領、Donald Trumpも根は不動産屋だ。すばしこい動きで巨万の冨を築き、今ではNYセントラルパーク近くに超高層マンション、トランプタワーを所有するようになった。それ以上にフロリダにある別莊、メールアラーゴは広大な敷地に中にゴルフコースもあって、正に彼の成功と富の象徴だ。
その彼が昨日から今朝に掛けて究極のDealをした。前日、カナダ、メキシコへの一律25%の関税を掛ける大統領令に署名し、昨日は日本を始め、世界中の株式市場は大幅な下落をし、トラップショックが世界を駆け巡った。その対象となったカナダ、メキシコの市場は恐慌状態で、カナダドル、メキシコペソは、それぞれ10%を越える通貨暴落となった。
自分もメキシコペソを大量に信用買いしていて、Positionが急激に悪化した。このまま持ち続けていて、夜中に相場が更に悪化したら、強制LCを受けるかも知れない。今の内に自分からカットすれば、100万程は残る。深夜の強制かッとなら40万しか残らない。・・どうすべきか・・。結論が出ないまま深夜になると、ペソが急速に上がっている。為替ニュースを見ると、トランプとメキシコ大統領との電話会談で、メキシコ側が1万人の兵隊を国境付近に派遣し、違法移民と不法ドラックの流入を阻止するとの取り決めが成立し、トランプはメキシコへの関税発動を30日間ストップするとのことである。それで当面の1か月間はペソは安泰となり、今まで売り掛けていた連中が慌てて買い戻したようだ。
トランプ究極の瀬戸際外交。発動の数時間前にストップが掛かり、事なきを得た。この動きを事前に承知していたトランプ一派は、先回りして大量のペソ、カナダドルを売り、大統領発表と共に買い戻せば、この数時間、少なくとも半日間で巨万の冨を得ることができる。今回偶々自分はLCも受けずに被害は無かったが、世界中の投資家のかなりの部分は大きな損失を被り、その損失分は裏舞台を知っているトランプ一派に流れたに違いない。正に究極の情報戦で、北の金の瀬戸際と同じやり方で、情報を自由に操作することにより、巨額の利益を生む、症例だ。困った性格の人が最強国家米国の大統領になったものだ・・。
