ちゃおチャオブログ

日々の連続

ラオス北部紀行(15)戦争博物館とチューインガム。

戦争博物館の前庭には、旧ソ連製の兵器が展示されている。
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何のための戦争だったとのか・・。結局共産党の浸透は食い止められなかったのだが・・。
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このヘリコプター、軽飛行機で何人の人を殺し、救ったのか・・。
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タンク。何型か分からないが・・。
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繊維博物館を尋ねた店で、「หมาก」(マーク)を頂いた。
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特別戦争に興味がある訳ではないが、ビエンチャン戦争博物館にはまだ一度も行っていなかったので、今日は時間もあるし、どんなものが展示されているのか、様子を見に行った。一昨年、サイゴン戦争博物館に行き、ベトナム戦の悲惨な展示物、石川文洋氏の特別展示室などを思い出しつつ、行って見たが、残念ながら、昼間の時間は3時まで休館とのこと。係の兵隊さんが入口の事務室で暇そうにしていた。

館内には入れないので、前庭に展示されているヘリコプター、戦車、大砲などの写真を撮ったが、これ等は全て旧ソ連製。ベトナム戦争ラオス内戦が、ソ連、米国、中国との代理戦争はこれ等の兵器を見ればまざまざと想像できる。ロンノル将軍、パテトラオ、ラオスの赤い旅団、1960年後半から70年前半にかけてのこの地域での戦争、騒乱は何だったのか。

フランスからの独立を勝ち得たラオスベトナムカンボジア、これ等3国は、元々は温厚な後進国、農業国であったのだが、独立運動の主体となったパリ留学組の赤化思想を畏れた米国が、そのドミノ理論の元に、反共、防共の名目で南ベトナムにテコ入れしたのが始まりだったのだが、結果的にインドシナ半島全体を巻き込む大戦争、大騒乱となり、多くの人命が失われた。

現在、旧ソ連は崩壊し、これ等インドシナ3カ国は今なお共産政権となってはいるが、その実態は資本主義国家と変わらず、殆ど自由な経済活動が行われている。インドシナ戦争の7年間、カンボジア1か国だけでも人口の3分の一、600万人からの命が失われた戦争とは何だったのか、改めて考えさせられる展示物が目の前にあった。

3時までこの庭で展示物を目の前にして考え続けることの意味はない。中の展示の拝観は別の機会にしよう。と言う事で、次に気になっていた、「繊維博物館」に向かうことにした。手元にこの街の地図がなく、ガイドブックを頼りに、街の人に「繊維博物館」と聞いても、人々はそうした場所に対する興味もないのか、知る人は少ない。日々の生活が忙しいからなのか、何なのか、そうした場所に関心を持っている人は皆無と言えた。それは交番が所々にあるが、交番のお巡りさんも同様だった。

通りの名前で行きついた場所は、タートルアンの丁度裏側辺りであり、あちこち回り歩いた結果が何だこんな近い場所にあるのか、とやや拍子抜けしたが、これも自転車で回り回ったから出来たことで、徒歩だったら、とっくに行くのを諦めていたかも知れない。

4つ角の少し大きめの店に入り、改めて所在地を確認すると、ここの店の人は、「繊維博物館」を知っていて、全く別の方向を案内する。今いるこの場所はその通りの反対側に位置していて、いわば、ビエンチャンを横切る形で、街の反対方向を示してくれた。まあ、自転車なら30分もあれば行けるだろう。

店の人が口にしていた栗のようなこげ茶色の木の実が珍しく、それは何か、と聞いたところ、「マーク」と言う。ああ、これが「หมาก 」(マーク)か。本の中でしか知ることのなかった木の実「หมาก」。ああ、これはビンロウの実、枇榔樹じゃないか。台湾でも食べたことがあったが、何か苦みがあって、それ程美味しとは思わなかったが、現地の人は精力が付くと、好んで食べていた。

店の人が3-4個差しだすのを手に取り、食べてみる。悪くは無い。淡白な味で、見た目は栗に近いが、風味は、さっぱりした梨を栗の固さにしたような感じの物。ああ、「 หมากฝรั่ง」(マークファラン)。店員に「หมากฝรั่ง」を知っているか、と聞いたら、「知っている」という。そうチューインガム。ポケットを探すと、食べかけのデンテーンガムの2-3個あたtので、お返しにガムを渡す。「หมาก」(マーク)は「หมากฝรั่ง」(マークファラン)、「ビンロウの実」がどうして「チューインガム」の語源になっているのか、当方にはさっぱり理解できないが、こうして、街の人と、「チューインガム」を間にして話しができたのは、今が実に平和な時代なのだと、しみじみ思う事だった。
 
 
 
 
「หมาก」(マーク)はビンロウの実であるが、栗に似た白い実。どうしてチューインガムを「หมากฝรั่ง」(マークファラン)と呼ぶのか、タイ人に聞いてもはっきりした答えはない。
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繊維博物館に行く途中、又タートルアンに戻り、屋台で焼き鳥等を食べる。
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カオニヤオ(ข้าวเหนียว)、ラオスのもち米はそれだけでも美味しい。
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繊維博物館へ行く途中で見かけた町の人のパーテイ。
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大音響に合わせ、人々は今を楽しんでいる。
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