ちゃおチャオブログ

日々の連続

中国・歴史の旅(144)上海人民政府。

人民広場の中程には新装なった屋内体育館がある。モダンな建物だ。
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その体育館と並ぶようにして上海市人民政府庁舎が建っている。
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中々機能的な感じの建物だ。
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上海市人民政府の立て看板が麗々しい。
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こちらには中国共産党の赤文字が。目を惹く。
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こちらは議会棟のようだ。民族の団結を呼びかけている。
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中国は人民の国である。人民の蜂起、革命により清朝を倒し、旧弊、封建制を打ち破って、人民による人民の為の政府が中国共産党政府であった。しかし中共政府樹立後60年、その初期の理想はかなり変質し、形骸化しつつある。中国固有の文化、風習、嗜好は一朝にして変えられるものではなく、60年と言う長い月日の経過と共に、又、従前の悪弊が頭をもたげつつある。

その一つが「太子党」と言われる、共産党幹部、要人の子息であり、彼等は生まれながらにして特権階級の道が約束され、党内におけるヒエラルキーの階段を上り詰めて行く。島内のヒエラルキー=国家の重鎮と言うことである。そうした「太子党」は一度は経験しておくべき門戸として、ここ「上海人民政府」の要職がある。

人民政府は中国各省、各市町村に存在しているが、そんな中でも4大直轄市は別格だ。即ち、北京、上海、重慶、天津の4市である。これ等の市は人口も多く、経済活動も活発で、4市だけで中国GDPの7割以上を占めている。圧倒的な経済力だ。重慶の人口3000万人に対し、上海は2500万人と、人口の点では遅れを取っているが、臨海、沿岸部の中心都市として永らく中国解放経済のリード役を果たしてきていて、この先も更に発展し続けるこの政府に在職し、成果を上げることは、中国中央政府の主席、総書記が約束されるものである。それは?小平以来の暗黙の了解事項となっている。若い頃、上海を経験した薄熙来が先般重慶政府主席の座を追放されたのは、全く異例中の異例な出来事だったのだ。

この人民広場の真正面に壮大な上海人民政府の庁舎が鎮座している。中国中央政府の国家を凌ぎ、越える存在としてここにある。戦前からの複雑な歴史体験をを持つ上海市民は、今は上海市民であることを誇りに思って、この人民広場の前をバスで通過し、その地下の地下鉄駅で、電車を乗り換えている。何かあって国と対立した際、上海政府は国家を超越し、自分たちを守り、助けてくれると。直轄市は東京都とは違って、権限も権力も国家を越える計り知れないものを持っている。それが今に残されている人民政府の一つの象徴でもある。

この人民政府ビルを各角度から眺め、人民の為の人民の政府を思い、今は厳重な警備により、一般市民を簡単には寄せ付けない強力な警備、強権、封建的な貌を部分的に覗かせ、それでも尚且つ上海市民の為に存在しているという建物に架かる赤文字の大きな標語を読み、中国、上海の複雑な状況を想い、次の人民公園に向かった。
 
 
 
 
いろいろ国内に問題を抱えているのだろう。警備も物々しい。
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不満分子の一団か・・。何か市庁舎の前で人が集まってきている。
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パトカーもやってきて、集団は解散させられた。
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さて次にどうしようか・・。乗り降り自由の市内循環バスに乗ってみようか・・。
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矢張り最初の予定通り、人民公園に行くことにした。
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今丁度バラの花が咲いていた。中国人の好きな花の一つだ。
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