ちゃおチャオブログ

日々の連続

イベリア周遊の旅(32)町の青空市場を覗いて、領主の館に帰館。

パドロンのサール川沿いに細長い公園があって、今日はそこで青空市場が開かれていた。
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夕方近くの時間、買い物客も少なく、業者も早くも店じまいを始めていた。
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街中には市役所なのか何なのか、こんな立派な建物もある。
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シエスタが終わったのか、街に人の影が戻って来た。
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ざわめきのする路地を覗くと、バールの前で人々が歓談している。
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パドロンの街を貫流するサール川沿いには、細長い緑地公園があり、日曜日の今日、そこで青空市場が開かれている。橋の袂のすぐ横から公園になっていて、沢山のテントが張り巡らされている。人口が1万あるかないかの地方都市、ちゃんとしたデパートやスーパーなどはないのだろう。売られているのは衣料品が多くみられるが、毎月決まった曜日の定期市なのだろう。赤ちゃんや子供の衣類が良く目につく。

午後の遅い時間、買い物客の姿も少なく、業者はテントをたたみ、商品を車のバンに積み込んでいる。こうして車に商品を載せ、次の定期市に向かうのだろう。今、殆どの家庭には車があり、車で行けばサンチャゴまで30分も掛からないが、その中核都市サンチャゴ自体にすらデパートとかドラッグストア、コンビニ、スーパーが無いのだから、こうした巡回業者のニーズは高いに違いない。

再び街中を通って駅に向かうが、小路の一角からざわめきが聞こえてくる。覗いてみるとかなりの人がたむろしていて、バールの前で飲んでいるようだ。日曜日の一時、仲間や旧知と穏やかな会話を楽しんでいるようだ。帰りの電車の切符を買ってなければ、端っこの方に加わって、雰囲気を楽しみたいものだが、そんな寄り道をしている時間もない。賑やかな余韻を耳にするだけだ。

相変わらず人気のない公園を横切り、墓地の前を通り、サール川の支流を渡り、パドロン駅に戻る。電車が来るまで20分程余裕があり、駅前のバールでビールでも一杯引っかけようかとも思ったが、知らない町、乗り過ごしたら大変だ。取り敢えずは無人駅のホームで新幹線を待つことにした。暫くすると一人の老女がやってきて、隣のベンチに腰掛ける。彼女も同じRenfeでサンチャゴへ行くのだろう。スペイン語で何か話しかけてきたが、当方意味は全く分からず、ただニコニコして、両手を振って、No Espanyor! と答えたら、彼女、きょとんとしていたが、それで当方が外人と分かったのか、それ以上は話しかけて来なかった。

間もなく新幹線がやってきて、来た時と同じ田園風景を眺め、サンチャゴ駅に到着する。無人駅は勿論だが、サンチャゴ駅でも、出改札はフリーパスだ。車内でも巡回の車掌がやってくるでもなく、これでは無賃乗車も大手を振ってできそうだ。スペインでも国鉄、親方日の丸は日本と同様で、至って大らかだ。列車が空気を運び、会社が赤字であっても、国鉄が倒産することはない。

来た時と同じ道路を辿ってセミナリオに向かう。セミナリオに向かう路地の一角に普通の民家風の建物があり、中からざわめきが聞こえてくる。覗いて切るとかなり広い中庭で、テーブルが数席置かれていて、奥の方の大テーブルでは家族連れが、手前の小テーブルではペアとか2-3人が飲食をしている。庭にはブドウの樹木も茂っていて、良い木陰を作っている。ここなら一人でも入れそうだ。ああ、これがPateoなのか・・。そうだ、Tavern! 室内の一人用椅子に腰かけ、ビールを一杯頂くことにした。

セミナリオはここからほど近い場所にあって、今日は、丘の下から丘上に鎮座する宿舎に向かって登って行く。この緑の段丘上の公園が以前は何だったかは分からないが、ブドウ畑を思わせるような段々畑の跡を残している。この宿の名前、「Alberge Seminario Menor」の「Alberge」は「宿」を意味するが、この「Menor」の意味が良く分からなかったが、調べてみると「領主、荘園」の意味である。・・そうか、今日泊るこの宿は【領主の館】だったのだ。丘を登るにつれ、そのがっしりした建物が目前に迫ってきて、成程ここは【領主の館】に違いないと思った。



ああ、優雅な人々の午後のひと時だ。
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新幹線でサンチャゴ駅に戻り、宿の近くのバールで一休み。
緑濃い中庭、パテオで人々は午餐を楽しんでいる。
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丘の上に、宿舎、セミナリオが建っている。
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「Alberge Seminario Menor」。Menorとは領主の意味で、直訳すると、さしずめ「領主の館」だ。
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確かに名前に相応しい宿舎である。
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