ちゃおチャオブログ

日々の連続

奄美の3日間(10)加計呂麻の海。

瀬戸内町古仁屋港を見下ろす岬の高台から反対側の海辺に下りおりる。人工の少ない鄙びた海辺が続く。
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海岸線を進むと、何か巨大な工作船が浮かんでいる。
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海岸線はどこまでも続いている。途中でUターンし、篠川のT字路から山道に入る。
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次に向かたのは高知山展望台。下にゴルフ場が見える。
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駐車場から500m程の林の中の小径を歩き、展望台に向かう。
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瀬戸内町古仁屋港を見下ろす岬の灯台から大島海峡、更にその先の加計呂麻島を眺め、このまま古仁屋に戻って国道を名瀬まで戻るのは少しもったいない気がして、少し回り道をしようかと、灯台からは古仁屋とは反対側の海岸へ下り降りる。こちらも又過疎の海辺で、海岸線は切れ込みの深く、どこまでが湾でどこから先が島なのか、区別のつかない程に入り組んでいて、ちょっとした秘境のような感じだ。海沿いの集落は人口減が激しいようで、一見廃村のようにも見えるが、古仁屋からのバス停もあり、年老いた老夫婦など、社会から取り残されたようにして生活しているのだろう。

この鄙びた海岸にはそぐわない異質な感じの大型の工作機械、何の工事なのか門型クレーンのような工作船が湾内に浮かんでいる。何か工事をしているという気配はなく、入り江が深いので、外洋の荒波を避けるために、ここに係留されているみたいだ。そこは篠川という集落で、ここで道路は二股に別れ、右に進むと山を越えて国道に出る道路、左はそのまま海岸沿いに半島の裏側まで続いている。そのT字路の突き当りには駐在所もあったが、半ば崩れ落ち、もう何年も前から無人のようだ。人工が減り、集落も寂れ、駐在さんの役割も既に終わったのだろう。

この先海岸線をくねくね走り続ければ、久慈湾、西古見等を回って再び宇検村に舞い戻るのだが、海岸線を走らせるのはここまでにして、山中の道を選ぶことにした。国道にぶつかる前の山中に油井岳及び高知山二つの展望台があり、そこに登って海峡及び加計呂麻を見たいと思った。

手前側にある高知山展望台に行くと、見晴らし展望台の500m程手前に広い駐車場があるが、午後の遅い時間、止まっている車もない。淋しい限りだが、兎も角ここまで来たのだ。どんな展望が開けるのか、行くだけは行ってみよう。人の誰もいない雑木林の小径を歩いて行くと、林が開け、前方に展望塔が見える。見晴らしを良くするために周囲の木立を切り、更に遠方まで見えるように10m程の高さの塔が作られている。

塔に登ると、今将に西日が加計呂麻の島の向こうに沈もうとしている。夕日が海原に照り返し、赤いビロードが広がっているようだ。加計呂麻・・。この島を見るためにここまでやってきた。何と麗しい名前だろう。「かけろま」、日本の古語に違いない、だから万葉仮名の「加計呂麻」を当てたのだ。そうこの景色は「かぎろい(ひ)」だ。「かぎろい」が南の島にきて「かけろま」に転化したのかどうかは自分には判断できないが、似たような語感と似たような景観。一方が大和の山波と他方が南の島の海原の違いはあるが・・。

対向車もいないこの山中まで車を走らせ、人気のない林の小径を抜けて、この塔に登って、この島影を見た。万葉の古代人が遥々海を渡ってこの島へ来て、今と同じ光景を眺めていた。「かぎろい」-「かけろま」、古代人との強い共感を覚えた。



雑木林の遊歩道を5分程歩くろ、林が開け、前方に展望塔が現れた。
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眼下に古仁屋の港も見える。
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塔に登り、加計呂麻を眺める。
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今将に夕日が加計呂麻の海に沈んでいくのを眺める。ビロードの海。
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かけろま・・かぎろひの海・・
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