亡くなる前日の土日、当初は外泊も考えていたが、又体調が悪化してきて、外泊は無理なので、２日間の外出に切り替わった。それも最初はタクシーで帰る予定だったが、それも無理になり、介護タクシーでの帰宅になった。しかも二日間の予定が本人からの希望もあり、土曜日１日となった。
それでも３か月振りの帰宅は本人には嬉しかったに違いない。介護タクシーの車椅子から息子に抱えられるようにして帰宅した。自宅での三時間、殆ど横になったままの状態だったが、亡くなる１日前に自宅に戻ることもでき、魂も安らんだに違いない。プランターの花も見ることもなく・・。
今思うとこの時既に魂の半分は遊離していたかも知れない・・。いつもなら透析から戻るとすぐにも飛びついて来るひかるもこの時はどこへ隠れたのか、母親の傍にも寄って来なかった。でもどこかで母親の匂いを嗅いで、悲しんでいたに違いない。３か月ぶりに帰ってきた自宅、でも由美子もひかるを呼ぶことはなかった。
・・戻って来られただけで精一杯で、疲れて言葉もでなかったのか・・
