ちゃおチャオブログ

日々の連続

8.20.(月・晴れ)妻永眠。



朝6時、病院の看護師から携帯に電話あり。病院からの電話は大体が良くない。本人が元気なら、本人から直接電話があるのだが、それが出来ないということは何かの不具合があるからに違いない。
竹内看護師の話では、未明に容体が急に悪化したので、直ぐ病院に来てくれ、との内容。昨夜別れた時には身体の痛みは訴えていたが、話しも普通に出来、バイバイまで言って別れてきた。過去何回か呼び出しがあり、自分が病院に付いた時には、既に容体も回復し、普通に話の出来る状態に戻っていて、急に来てもらって申し訳ない、と謝られるのが常だった。
春日部駅からタクシーで病院へ向かう途中、息子から電話あり、先刻心肺停止になったとのこと。病院に着くと本人は別の部屋に移されていて、河野医師の最終死亡確認を待つ状態。モニター画面はゼロを表示したまま、機械的な電子音が繰り返し鳴っている。何か急に悲しくなる。本人にすがって泣く。僅か数時間前に別れた、身体の温みがまだそこに残っている。だが本人は無言のまま、返る言葉もない。由美子さん、お母さん、無性に悲しくなった。もうこの先、二度と話もできない。身体をさすってやるだけのことしかできない。長い間の苦しみから解放されたのを喜んでいるのか、少しばかり微笑んでいる。穏やかな、いつものお母さんのような表情。苦痛の形相でないことに救われた。
一旦自宅に戻り、生協に連絡し、葬儀社を手配し、午前中に病院からの運び出しを行う。今回は4か月の長い入院。一昨日数時間だけでも自宅に戻れ、ひかるに会えたのはよかった。今日のひかるはどこへ隠れたのか、姿を出さない。猫も悲しみが分かるのだろう。どこかにひっそり隠れて、居間へは姿を現さない。
横たえられた遺体の横で添い寝をする。右肩が痛かったのか、少し右向きに顔を傾け眠っている。まるで、静かな息をして、深い眠りに落ちているようにも見えるが、こちらを振り向くこともせず、寝返りを打たない。矢張り、どうしても死んでしまったのだ。死者の頬を涙で濡らすわけにはいかない。柔らかな頬を指で触り、なぞり、つまんでやることしかできない。苦しみの無い顔立ち。安らかな眠り。それだけで救われた。

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