ちゃおチャオブログ

日々の連続

6.8(月・晴れ)円の信認。

 

f:id:commodore:20200608205736j:plain

 

今日の現時点での対ドル円相場は109円50銭。円安がじりじり進み、間もなく110円に達する勢いだ。従来の世界経済危機時とは全く違う動きをしている。ブラックマンデーリーマンショック東日本大震災、等々、世界経済の歯車が狂った時、世界の資本は安全通貨である円に逃避し、急激な円高が生じた。100円を切り、90円、80円台にもなったこともあった。

今回のコロナショック、世界経済の大危機だから、世界のマネーは当然円買いに走って然るべきなのだが、今回はそれがない。政府、日銀による200兆円にも及ぶ多額の追加補正予算、それに伴う多額な円の増刷により、円の価値が下がったのだ。今回に関しては、円は世界の安全資産とはみなされず、見捨てられている。円安は対ドルに限らず、ユーロ、ポンド、豪ドル、その他殆どすべての国の通貨に対して、安くなっている。ユーロなどもつい先月は114円台だったのが、今は10円以上の円安が進み、124円台を付けている。

米国と日本の予算規模は約3倍の違いがあるが、その米国の2兆ドル、220兆円に比べても、今回の日本の追加予算が如何に膨大かは、日米を比較しなくても分かることだ。総理が円を湯水のように使い、自身の人気を浮上させようとの躍起な気持ちは分からない訳ではない。

債権国であれば、どれ程お金を刷っても国家破綻する心配はないというMMT理論は眉唾だ。日本の対外債権、主に米国債保有だが、世界最大とは言え、1兆ドル強に過ぎない。世界中に散らばっている対外債権を合計しても、日本の財政赤字1200兆円には到底及ばない。全部をひっくるめても300兆円もないだろう。今の処、日本の国債はその大半が国内で引き受けられているが、このまま債務が増えて行けば、それも出来なくなる。今ですら年間予算の4割近くが国債の利払いとロールオーバー、借り換えに消えてしまっているが、今回のコロナで膨大に膨らんだ債務で、その内、年間予算の半分以上が借金返済に消えてしまうことになりかねない。敗戦直前の国家財政は、予算の8割以上がそうした借金返済に消えて行ったが、その悪夢が再びよぎってくる。

今日の対ドル109円50銭は、そうした世界からの円の信認に対する否定だ。更に円が不人気になり、円安が進んでいけば、輸入物価は高騰し、長期金利は安倍―黒田が目論んだ2%を遥かに超え、とてつもない高金利になっていく。1200兆円の利払いだけでも国家予算総額を越えてします。もうそうなると財政破綻だ。国債を買う人がいなくなるから、国債も発行できない。唯一出来る方法は日銀が債券を刷って、自分で買い入れることだが、それはタコの足食い以上に危険な行為で禁じ手だ。その時、付けはすべて国民に回され、苦しむのは国民だ。政府はトップの首がすげ変われば、それでチョン。全く酷い政府だと、後から臍を噛んでも、それこそ後の祭り。

折しも、丁度そんなさ中、今日から第2次追加予算の審議が始まった。来週中には可決され、国会は閉会となる。最大の目玉は10兆円の予備費だ。使い道は自由勝手の総理一任! 国会の場であれ程嘘を垂れ流し、お膝元のお茶坊主は選挙違反で立件され、主席補佐官と厚労省高級官僚が税金を費消しての不倫旅行にも何も言わない。公文書改竄の重大犯罪を犯した省庁のトップが未だに大臣に居座っていて、この10兆円はそのお返しか! 摑み取り合戦は既にあちこちで始まっている。一新しなければならない。でないと日本は潰れてしまう・・。  

 

f:id:commodore:20200608205820j:plain