ちゃおチャオブログ

日々の連続

6.17(水・晴れ)北の混迷。

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南北融和の象徴的な建物、開城にある連絡事務所が昨日、金与正の命令一下惜しげもなく爆破された。もう南とはこれ以上話し合いをしないと。
今年に入ってから金正恩の動静が伝えられなくなって、国の最重要行事、太陽節にも顔を出さず、一部では死亡説も流れていたが、4月になって、一度だけどこかの飼料工場の開所式に顔が写されたが、それが本人か影武者かどうかは定かでないが、いずれにしてもまだ生存しているとしても、生死をさまよう重体であることは間違いないだろう。今回のような国家の重大な岐路に立たされる政策決定に際しては、彼が自らテレビの前で、大時代がかった物々しい物言いで南を非難し、国民にアピールするものだが、今年になってからは、彼が本来出てくる場に妹の与正が顔を出し、彼女の地位と権威が日増しに高まっている。正恩の子供はまだ小さい。国のトップに据えるにはまだ小さすぎ、自分が亡き後、一時的にも与正に国を譲り、ショートリリーフでバトンタッチさせる意図があるのだろう。

それにしても今北で何が起こっているのか・・・。情報が殆ど外に出ず、正確な状況は不明だが、政府発表によればコロナ感染者はゼロとのことである。しかし中国との国境は閉ざされ、観光客も物資も途絶された状態で、平壌市内でも食料品その他の困窮が激しくなってきていると報じられている。首都がそのような状況なら、地方で餓死者が出ていてもおかしくない。この数年国連決議による外部国際社会からの締め付けが激しく、国内は窮乏、混乱し、南を通じての米国への一部解除を求めてきたが、今日まで全くラチが開かず、とうとう痺れを切らしての南北決裂と見る向きもあり、現にそうした国内の不満、うっ憤の目を逸らすための敵視政策との見方もあるが、自分はもっと 別の 金王朝の正当性に関わる切実な問題があったと見ている。餓死者が出て、人民が困窮しているのであれば、その旨南、中国、国際社会に訴えれば、人道上の支援が行われることは彼等は経験上知っていた。だが、今回はそうした申し出も行わず、唯一、38度線、休戦ライン付近で飛ばされる宣伝風船に難癖を付け、遂には父正一が作った連絡事務所を爆破したのだ。

今回マスコミ等により風船の中身が明らかなになった。今までの報道は風船を飛ばした事実のみの報道で、風船の中身については報じられていなかかった。しかし今回、その中に1米ドル紙幣と宣伝ビラ、則ち、正恩、与正の二人は、正一が日本にいた妾に産ませた子、妾腹の子だとの宣伝文で、これは二人に取って驥尾に触れることだった。 かなり 多くの 日本人なら知っていることも、情報統制の取られた北の人民には驚愕的なことで、金王朝の正当性を問われかねない事態なのだ。 昨日も BS 8で 桜井さん 小野寺さん も 話していたが 北の人民にとっては 日本は 百年の 怨念の塊 、 愛人が 日本在住 だったということに 多くの人民は 反感を覚えるに違いない。  結局この宣伝ビラは二人の虎の尾を踏んだことになり、烈火のごとく怒ったReactionは今回の事務所爆破事件になったのだ。

建物爆破がルビコン川になるのか。もう後に引き返すことのできないルビコン川なのか。いや、矢張りまだそうじゃないだろう。彼等の得意とする瀬戸際外交のギリギリの処だろう。ルビコンの岸辺に立っているのだろう。真のルビコンは38度線を突破した時だ。その時はもう後はない。北はそこに至るまでのギリギリの瀬戸際をこの先も続けて行くだろう。可哀そうなのは人質に取られた北の人民だ。1日も早い内部蜂起が待たれるところである。

 

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