ちゃおチャオブログ

日々の連続

愛媛(伊予一国)ドライブ巡礼(73)四国霊場第六十一番香園寺に参拝。

香園寺大聖堂の2階は殆ど薄暗い巨大ホールになっている。

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ホールの正面に本堂の本尊、大日如来が安置されている。

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その右隣りには大師堂が造られている。

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四国霊場八十八ケ寺中、今日まで六十ケ寺を参拝したが、今ここに見る香園寺程大きな建物を見たことは嘗てなかった。他のお寺と比べてもずば抜けて大きく、又横長のデザインもお寺とは思えない程斬新で、建物の前に大きな蝋燭用のケージとか、線香の煙が漂ってこなければ、ここがお寺とは誰も思わないだろう。誰の発想なのか、平成令和に生き続ける仏教界、ことお遍路道に一石を投ずる発想の転換だ。末香臭いだけがお寺ではない。築地本願寺の向こうを張って、銀座4丁目にあったとしても、様になる、と。

建物に比例して幅広の外階段、3階に上るほどの長さの外階段を上って2階に上がる。これだけの建物、エレベーターかエスカレーターが付いていないと、高齢者には大変だ。そうぼやきながら2階の部屋に入ると、おお、そこは殆ど光りのない、真っ暗に近いような内陣になっている。ここが本堂なのだ。まるでここはホールだ。地獄でもない、天国でもない、無明のホール。

この巨大な建物は大聖堂と呼ばれていて、内部の正面に本堂、その右手には大師堂が組み込まれている。一つの大きな屋根の下に二つの寺と堂が仲良く並んでいる。これも又珍しく、四国霊場では初めての経験だ。巨大なホールには観客席が必要だ。正面の本堂、大師堂がオーケストラのピットとすれば、それに対峙する形で、このホール内には600席を越える座席が造られているのだ。音楽祭のような大法要も可能だ。西条市長、愛媛県知事等々の市民葬、県民葬も可能だろう。ホールであるから響きも良い。元々自分一人しかいなかった堂内に後から夫婦者が入って来た。距離はかなり離れているのだが、ちょっとした物音も響いて来る。この中で唱える導師、陪僧のお経の唱和は、堂内に遍く響き渡るだろう。

この寺の開基は聖徳太子と伝えられている。寺伝によれば、父親の用命天皇の病気平癒の為にこの地に至り、堂宇を建て、祈願したという。天皇の病気も治り、その後この寺は教王院の山号を賜り、祈願寺となった。その後、行基もここに御堂を建立し、更にその後弘法大師もこの地で難産に苦しむ妊婦と出会い、加持祈祷を行った結果、玉のような男児を出生したとのことである。その後この寺は「子安の弘法大師」と呼ばれるようになり、今でも安産の守り神として、人々の信仰を集めているという。栴檀山教王院香園寺子安大師と言われる由縁である。尚、香園寺はコウオンジと読まれている。さて、次は宝寿寺だ。

 

堂内は暗く、全く音楽ホールのような感じだ。

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  • 座席は優に600席。仏も金色に輝いている。

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    大聖堂横にはプレハブの納経所があった。

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