転寝から覚めて眼下を見ると、緑の海が広がっていた。
空気中の水蒸気が多く、グリーンが綺麗に映えないが、もう既に石垣上空だ。
石垣最北端から進行し、右手の海は川平湾だ。
機は間も無く着陸態勢に入る。
2か月ぶりの石垣空港。
ピーチ機が九州を離れ、洋上に出てから暫く、眼下の視界は雲に覆われ、いつもの積乱雲だったら、様々に変化する雲の動き、形に目が離せないが、静かに浮かんでいるだけのいわし雲では見ていても飽きてしまう。今朝の睡眠不足もあって、自然と転寝に落ちた。軽い睡眠だから、まどろむ形で眼下を見ると、海の色が変わってきている。成田を出て相当時間が経った。機はもう既に沖縄の海域に入っているのだ。エメラルドグリーンの海。窓際に座席を予約したのは、富士山とこの緑の海を見る為だった。だが、空気に水蒸気が多く、快晴の空の下の南の海と違って、やや霞んで見えていた。
まだ奄美か沖縄本島近くの離島かと想像していたが、畿内アナウンスで、後15分で下降開始するとの案内で、機は既に石垣上空に来ていたのだ。そうか、機が高度を下げないと、湿気が多く視界の良くない今日は島の形は見えないし、海岸線も今のようには見えなかったのだ。石垣空港は於茂登岳の東側。機はその山を左旋回するように、川平湾の上空を飛行し、着陸態勢に入った。眼下の緑の海は川平湾だ。天候が快晴でないのが残念だが、こんな湿った空気の中でも、湾のエメラルド宝石のような綺麗な色が見える。日本各地のいろいろな空港に飛んだ。だが、この沖縄奄美の緑の海こそ感動深いものはない。
新石垣空港は前回の2月に来て以来2回目だ。前回はバスに乗る時間に慌ただしく、空港内をゆっくり見る時間も無かったが、今日はバスまでの時間は少しある。空港内は2か月前と比べ、確実に人は増え、賑わいも増している。この空港が国際空港だったとは、前回西表島へ行き、そこの巡回バスの運転手、児島さんから聞いたことだ。今は運休になっているが、香港、台湾との路線が再開されたら、賑わいは今以上に増し、華やかなものになるだろう。お昼時、1階のレストランもほぼ満席状態だった。
2か月前と比べ、空港に賑わいが戻って来た。
観光の島。この島から観光を除いたら、経済は半減だ。
1日も早く国際路線が再開されることを願うのだが・・。
1階レストランも沢山の客がいた。
バス停前の喫煙所。さあ、又バスで市内へ行こう。