ちゃおチャオブログ

日々の連続

紀の国訪問記(37)潮岬を下り降りる。

潮岬最先端の展望テラスからは、目の前に雄大な太平洋が開けている。

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沖合を貨物船が音も無く動いている。遥か先の水平線は霞んで見える。

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展望テラスの前の小さな資料館は、コロナ禍で休館中だ。

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資料館の横に立つ吉野熊野国立公園の案内板。

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潮岬は串本の町からはちょっと出っ張った半島のような台地の先端部にあり、ここへ来るまでにはかなり長い登り坂を上って来た。電動アシスト自転車で、こうした坂道も左程苦になることもなく、上ることが出来た。乗ったのは初めての経験だったが、実に便利な乗り物ができたものだ。台地は海面から100m程の高さか。この出っ張り部分が半島の中では一番高い場所になっている。かなり広い半島だが、風が強いためなのか、台地全体は開発もされず、農地にもなっていない。

 

この先端部に潮岬の立派な灯台があるのかと思って期待したが、灯台はどこにもない。灯台の代わりに、海からの断崖絶壁の上に10坪程の展望テラスがある。目の前は太平洋だ。行き違いに記念写真のシャッターをお願いしたアベックが去った後には、観光客はもう誰もいない。ゆっくり海も眺めたい気持ちもあったが、自転車の返却時間もあり、急がなければならない。ここまでの来る時間を考えたら、急いで帰ってもギリギリ5時になるだろう。沖を貨物船が音もたてずにゆっくり動いている。影絵のようなゆっくりな動きだ。この大海原は、ずっと遥か先、アメリカまでも続いている。坂本竜馬が高知の桂浜でこの広大な海を眺め、雄大な夢を抱いたのも、今こうして黒潮の海を見ていると、何か分かるような気にもなった。

 

テラスの手前には小さな資料館もあったが、このコロナ禍で閉館となっている。館の前に吉野熊野国立公園の大きな色刷看板が出ていたので、写真を撮っておく。この辺り、吉野と熊野は一体なのだ。同じ紀伊半島の東側には伊勢志摩の国立公園があり、張り合っているが、西側の高野山和歌の浦周辺は指定されていない。何か片手落ちの気もするが・・。そんなことを考えながら、自転車を置いた展望タワー前に戻る。

 

前の周遊道路を時々車が通り過ぎるが、車から降りてここまでやってくる人はいない。展望タワーが夜になると灯台に様変わりするのだろうか・・。鹿児島佐多岬でも北海道礼文島スコトン岬でも、室戸、足摺、狼煙、日御碕、伊良湖のどこでも、立派な灯台を見てきたが、この本州最南端の地に、期待する灯台が見当たらず、少し拍子抜けだった。展望タワーの前に停めた電動自転車に再び跨り、半島周遊道路の今度は反対コースを駅に向かって坂を下り降りて行った。

 

展望タワー前に停めた電動自転車。

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潮岬からの帰りは、周回道路の反対側のコースを取って、駅に向かった。眼下に串本の町が見える。

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周参見の方向に海岸線が繋がっている。

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串本。本州最南端の町であり、駅もある。

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