ちゃおチャオブログ

日々の連続

4.2(土・晴れ)書評「シベリアの俳句」。

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リトアニアバルト海に面した小国で、人口は300万人足らずの小国だ。バルト3国の1国で、日本人には杉原千畝の命のビザで有名だ。ツアーでこの国を訪れた日本人も多い。第2次大戦中、日本人が誇れる一人の義挙だ。この国は又つい最近台湾との外交関係を復活し、その反対に中国政府から猛烈な反発を受け、経済的にも追い詰められたが、それでも頑張り抜いている。人口300万の小国だが、大国中国と対決する姿勢を見せている。ソ連崩壊後、バルト3国と共に独立し、現在はEU,NATOにも加盟していて、他のEU諸国もリトアニアの毅然とした行動を応援し、援助もしている。

この国は又今回のロシアによるウクライナ侵略戦争ポーランドと共に最も危険視し、危惧している。この国の南にはロシア特別州のカリーニングラードと国境を接していて、いつ又ロシアがウクライナの東部州、ドンバスと同じような難癖を付けて侵略してこないかを、強い危機感を持って対峙している。

 

「シベリアの俳句」は、過去、この国がソ連、ナチドイツから侵略され、占領された歴史を持っていて、国民の悲しい歴史が凝縮されている。作者は祖父母の苦難を子孫にも知ってもらい、歴史に埋もれさせない為に本を書いたのだ。

40年6月、リトアニアソ連に侵攻され、良く41年、ナチスドイツが攻め込む直前にソ連は多くの国民を労働収容所に送り、家畜列車でシベリアに送った。丁度その頃、杉原千畝が駐在大使で活躍したのだが、ナチに占領されたリトアニアでは、約20万人のユダヤ人が殺害されたと言われる。

その後、ソ連が再占領し、ソ連編入されたが、この時の独立戦争では3万人の市民が殺され、多くの国民がシベリア送りとなった。この大戦中に80万人近くの国民が犠牲になった。

この過酷なシベリア虜囚の中で、日本人捕虜との交流も生まれ、「俳句」を通じて、お互いの心の支えとなり、この本の題名になったものだが、ロシアの蛮行は今に始まったことではない。今正にウクライナの善良な市民がシベリアに送られ、過酷な労働を強いられることになる。人類の不俱戴天の仇であるが、こうした小国が大きな犠牲を払って、今の自由と独立を勝ち得ている。平和な日本、欧米各国は最大の援助をしなければならない。

 

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