遂に来るべきものが来た。これがこれからやって来る大悲劇の第一歩になるのか、これが最後になるのか、誰にも分からない。
昨日ガザ北部のキリスト教系の病院が爆撃に遭い、500人が死亡、数百人の傷害が報じられた。この病院はガザ北部の避難民の拠点になっていて、大勢の民衆が避難してきていた。
ハマス、アラブ諸国はイスラエル軍の爆撃によるものと批難し、イスラエル側では爆撃を否定し、ハマスのロケットの誤発射によるものと、弁明している。今日ワシントンを発ったバイデンは明日アンマンでヨルダンのアブドラ国王、パレスチナ自治政府アッバス議長との会談を予定していたが、急遽、取り止めになった。
現在この爆撃はどちらの側によって行われたものかは断定されていないが、いずれにしても攻撃を命じた者、攻撃を実行した者は現存し、どちらの側にせよ、最低この二人は事実を知っている。一度に500人、又はそれ以上の人間を殺傷する行為におののきはなかったのか・・。
軍務であれば拒否は出来ず、数万人を一度に殺す核のボタンも押すかも知れない。もうその時は人を人とも思わない、虫けら以下の存在と考えなければボタンは押せないだろう。
イスラエル側は、これはハマスのロケットの誤爆によるものと主張するが、500人の命が奪われた無残はあるにせよ、誤爆であって病院が標的ではなかった点には一縷の救いもある。しかし、誤爆であったとしても、戦争が巻き起こした殺害であり、もしも最初からこのような戦争が起きなければ、500人の犠牲もなかった。最初にテロ行為を起こしたハマスの責任、絶大な軍事力を有するイスラエルの責任、どちらも責任は問われる。
どちらが加害者だったのか、戦争が終わった段階で明らかになるかも知れないし、そのまま双方が責任をなすり付けて解明されないかも知れない。だが、ガザの地では人間が人間として扱われず、虫けらのように殺されて行く。この爆撃がないとしても、水や食料、医療を絶たれたガザの人々の命は風前の灯だ。バイデンは今日ネタニヤフと会う。少しでも人の命を救済すべく、強力な働きかけを行わなければならない。