ちゃおチャオブログ

日々の連続

10.14(土・晴れ)殺し合いの連鎖、民族の浄化へ。



 

中東で再び殺し合いの連鎖が始まった。1週間前の土曜日、憎悪に満ちたイスラム過激派テロ組織ハマスユダヤ安息日の土曜日に根耳の水の突然のテロ行為を仕掛け、多くのユダヤ人、外国人を殺害した。外国人の中には季節労働者のタイ人も20数名含まれている。宗派を問わず、そのイベントに参加していた人々を皆殺しにするジェノサイドだ。テロ集団は殺すだけでなく、戦利品として100人以上のユダヤ人を人質にするために拉致連行した。憎悪と憎悪の連鎖は殺戮戦の連鎖となっている。それは元寇の時代の殺戮戦と同じだ。この中東では時代が進むどころか、逆回転している。町を走る車は新品で、高層ビルも建ってはいるが、人々の思考は過去に先祖返りしている。

 

中東の歴史には馴染みが薄く、自分にはよく分からないが、約3000年前、モーゼに率いられた数千人のユダヤ人がエジプトから追放され、シナイ地峡を渡って今のイスラエルの地に逃れてきたが、その当時からユダヤ人は嫌われ者で、迫害されてきた。その頃からユダヤ人は流浪の民となったが、その後、死海の北のガラリア湖周辺にユダヤ王国を造ることができた。しかしそれもキリストが出てきた頃の2000年程前、その王国はローマ帝国の植民地になって、キリストは反逆者としてゴルゴダの丘、今のジェルサレムの地で処刑された。

それから又、再び国を失くしたユダヤ人は世界の放浪者として各地に散らばった。本当か嘘かその一部の支族が日本の地まで落ち延びてきたとの民間伝承もある。国を失なったユダヤ人は、世界の中で生きる術として知識と芸能、芸術を重要しし、且つ、金融に生きた。人類最初の職業人、即ち収税吏、税金徴収人がユダヤ人だったと言われる所以でもある。知性の高さは抜群で、今現在ノーベル賞受賞者が世界で何人いるのか知らないが、その半数以上はユダヤ人に違いない。

 

世界に散らばったユダヤ人は固有の宗教、旧キリスト教即ちユダヤ教を固守し、異質な民族とみなされ、都市部ではゲットーと呼ばれる特別区域に閉じ込められて、監視の対象となった。3000年来の迫害の歴史が連綿と続いてきたのだが、第一次世界大戦後、英国外相バルフォアによって、今のイスラエルの地に国家が作られることになり、ユダヤ人は2000年ぶりに自分の国を有することになった。だが、その反面、従来からその地に住んでいたアラブ人との間に土地問題に関する争いが絶え間なく続き、遂には殺し合いの紛争に発展し、イスラエルと周辺国との戦争にまで至り、第4次中東戦争まで数えるに至った。今のウクライナでもそうだが、土地に絡む戦争は過酷なものである。住民を巻き込んでの殺し合いの連鎖だ。怨念が怨念を生み、鎮まることはない。今やお互いが民族浄化ハマスイスラエルを認めず、イスラエルハマスを根絶やしにする。

 

第4次中東戦争から50年、この間、戦争にまでは至らなかったものの、繰り返しの殺し合いはあった。しかし今回のように1週間で既に3000人を越えるような犠牲者を出した大きな殺し合いはなかった。累卵の危うさ、タイトロープの綱渡り状態であったとしても、その緊張の中で、大きな戦争もない平和が保たれてきた。処がそのロープを過激派ハマスが断ち切り、自分達の命を賭して、強敵イスラエルに戦いを挑んだ。その戦いたるや、正に挑発的で、小さな子供の首を切ったり、母子を同時に殺害したりと、イスラエル人の憎しみをいや増しに掻き立てるものだった。

黙ってはいられない。右翼、強権指導者のネタニヤフの顔は丸つぶれ。イスラエル国民も怒り心頭、国を挙げての戦争に突入した。80年前、ナチスヒトラーユダヤ人を根絶やしすべく、占領各地に強制収容所を作り、最大の収容所、アウシュビッツでは終戦までの間に100万人以上がガス室に送られた。今回イスラエルはその反対の立場でガザ市民をゲットーにし、ガザ市民全員の殺戮までも考えている。ソドムの町のように。歴史は3000年前に前戻った。

 

人間は進歩しているようで精神的には進歩していない。電気が通じ、車が走り、ビルが高層化しても、人の考えは憎しみと憎悪、仇討ちと殺戮。殺し合いは相手側が根絶するまで続いて行く。3000年経った今でも続いている。救いがたい社会だ。