ちゃおチャオブログ

日々の連続

上海ー新加坡ー吉隆坡ー曼谷4都旅行記(66)国鉄イポー駅にて。

どこから来て、どこへ行く特急なのか・・、ホームで見ていると、列車が滑らかに入ってきて、乗客を乗せている。
 
 
 
日本の新幹線のようなモダンな車両だ。
 
 
 
人々には貧しさは微塵も感じられない。
 
 
 
北へ向かうのか、南に去るのか、列車は走り去っていく。
 
 
 
マレーシア国鉄、どこの国が援助しているのだろう。日本の川鉄、日立等が援助したという話も聞いていないので、これも欧州系か・・
 
 
 
駅舎の内側も人で混んでいる。
 
 
 
駅舎のホームに面する側。
 
 
 
 
 
日本はもう20年以上も前に民営化によって、日本国有鉄道、通称「国鉄」は無くなってしまったが、アジア各国では、まだ尚国鉄が幅を利かせ、首都と地方の主要都市との重要な交通手段となっている。但し運行時間はかなり杜撰で、数時間遅れはザラで、日本のように時間通りに運行されているのはマレだ。中国が新幹線を導入してから、やや時間に厳しくなったが、まだまだ日本には及ばない。

日本の東京駅がそうであったように、国有である以上、その国の首都の中央駅は国のシンボルとして、どこの国でも立派な駅舎が建設されている。又、主要な地方都市であれば、その都市の顔だ。このマレーシア第三の都市、イポー駅も立派なものだ。大理石で作られた壮麗な駅舎で、多分、これは戦前の植民地時代に英国により作られた駅舎に違いない。丁度ソウル駅舎や大連駅舎が日本政府により作られたと同じように。

「Orient Express」と言ったら、アガサクリステイで有名な、パリからイスタンブール、更にその先のアレッポまで運行している高級寝台列車だが、戦前に同じような国際列車をシンガポールバンコク間に走らせていた。アジア版オリエントエキスプレスだ、確かモームもその列車に乗って、バタワーズまで行き、ペナンに渡ったのではないかと思う。勿論最終的にはバンコクまで行き、チャオプラヤー川沿いの高級ホテル「オリエンタル」で長期滞在したのだが。

今眺めているイポー駅は、当時のサマセットモームがアジア旅行の途次、見たのと同じものだろう。がっしりしたスクエアな英国風の建物だ。彼がこの駅で下車し、この町に滞在したかどうかまでは知らない。しかしオリエントエクスプレスに乗って、この駅を通過したことは間違いない。その時から既に100年は経っている。イポーの英国風駅舎を眺めるにつけ、歴史を感ずるものだった。
 
 
 
 
時刻表が出ているが、さっぱり分からない。分かるのは、K.L.Centralというのは、クアラルンプール中央駅のことで、Butterworthとは、タイ国境に近い、ペナン島に渡る半島側の大きな町のこと位だ。
 
 
 
チケットブースで。さて、タイ行の国際列車の切符を買おう。
 
 
 
オリエントエキスプレスも夜行寝台も買えなかった。買えたのは、深夜にイポーを通過する夜行特急の普通席だった。構内にある閉店間際のレストランに駆け込み、夕食。
 
 
 
余り食欲がないが、マレー風の食事を食べてみる。
 
 
 
夕食後、駅の外に出てみる。
 
 
 
シックで均整の取れた、なかなか良い駅舎だ。
 
 
 
これも大英帝国の一つの遺物だろうか・・