もう政界の表舞台からとうに消え去ったかと思っていた小沢一郎が、しぶとくもまだ生きていた。今日のテレビに久方ぶりに登場し、一席ぶっていた。自民党幹事長の頃のオーラはどこへやら、全くうらぶれた醜悪な顔つきで、ぼそぼそと何か話していた。みっともない、敗者の将軍の言い訳を聞いているようで、聞くに堪えないが、一時期の政界をリードした人間だから、果たして何を言い出すかと、注視したが、全く聞くに堪えない話だった。
「生活の党は、消費税増額に反対していた訳ではない。だから、民主党と合流可能だし、野党の再編の為に努力したい」と!
今の政界で、誰が小沢の言を信用するか! 20年前、確かに日本政治の新星、日本の政治風土を根底から変えて行く実力者、実行者として政財官界から嘱望されていたが、その後の行動を見ると、新たな政党を作っては潰し、利権に絡んだ離合集散を繰り返し、周囲からの信を全く失ってしまった。昨日までは、鈴木とかいう唯一の子分が行き場が無いので、やむを得ずくっ付いている、と感じの政党だった。
それが、今日また一旗揚げようと、画策している。見苦しい!の一言だ。1日も早く政界を引退することが、現在社会から求められている役割である。
昨日、図書館で借りて来た佐高信の「未完の敗者・田中角栄」を読む。田中氏を裏面から評価し、中々の好著だ。彼には「老婆心」がある。佐藤栄作の股肱の子分、保利茂や橋本竜太郎、河野謙三など、もろ手で田中を評価している。
一方で、石原新太郎を嘘つき呼ばわりして、けちょけちょに貶していたり、松下未熟学の面々を人を見る目がないのだから、一刻も早く政界から引退すべきだ、などの論点は全く正孔を得ていて、面白く読めた。まだ前半しか読んでいないが、後半が楽しみだ。