ちゃおチャオブログ

日々の連続

ギリシャとオリンピックと国家破産。

イメージ 1


昨日、6月30日、ギリシャIMFへの返済金2200億円を返すことが出来ず、デフォルト状態となった。尚、1週間の返済猶予期間はあるものの、先の見通しは全く立っていない。そもそもこの2200億円は、自国の税収、余剰金の中から返済するものではなく、ECBからの新たな借入金の枠の中からの返済計画であり、それが頓挫した今となっては、逆さになっても返せるものではない。恐ろしいことに、今月20日には、そのECBに対する国債償還、5000億円分の新たな返済も待っている。
現況、既に国家破産状態であり、ギリシャが発行した国債43兆円は、紙屑同然の価値しか無くなっている。最大の保有国ドイツは10兆円以上の損失を蒙ることになるが、ここ数日のドイツ株式市場の連日の急落は、それを物語っている。

ギリシャが何故にこのような状況に立ち至ったのか。過大債務に喘ぐ国は、このギリシャ1国に留まらず、南欧諸国、スペイン、ポルトガル、イタリア等にも共通しているもので、一説には、南欧人の楽天的性格が、国家の放漫経営を生んだ、と言われているが、ギリシャに関しては別格だ。

数年前、前政権による隠し負債が明らかになり、驚いたドイツを中心とする債権団がギリシャに乗り込み、改革を指導してきたが、国民はそうした苦痛には耐えられないとして、直近の選挙において現政権、チプラスを選任した。緊縮政策反対で政権に着いたチプラスは、国民におもねる政策を次々に打ちだし、結果、EU債権団からも見放され、昨日の結末を迎えたのだった。

世界経済がグローバル化した現在、ギリシャの破綻は一国の問題に留まらず、世界的な広がりを見せ、各国株価の急落、為替の急激な変動を見せている。影響は大である。願わくば、今月5日に予定されている国民投票に際し、国民は良識的な判断、即ち、債権団の提案を受け入れる形で、苦しくとも前向きに進んでいく道を選んでもらいたい。拒否したなら、それ以上の苦しみが国民に押し寄せてくることを自覚して欲しい。

経済学者等余り言及していないが、当方は、現在のこのギリシャの窮乏の遠因は2004年に行われたアテネオリンピックにあるとみている。それ程裕福でないギリシャが、2000年季、Bi-Centenialを記念してアテネで開催されることになったのだが、この時の無理な財政支出が尾を引き、今日の混乱を招いたものとみている。金も無いのに見栄をはることが、どんな結果を齎すかは、身近な徳川幕府の借金漬けを見れば分かることである。

引き比べて、日本の現状はどうか。1000兆円もの世界最大の借金国が、誰の発案か知らないが、前都知事石原氏を担ぎ上げて誘致に走り、本人はそれを公約に掲げ4選を果たしたが、公約も何もあったもの、反古衣のごとくに捨て去って国会議員に走ったが、こうした約束破りの政治家が横行している現状の日本を憂うが、石原氏はさて置き、新国立競技場のすったもんだはどうした事か。建築費に2520億円が提示されているが、それでは済まず、大幅な予算オーバーが予想されている。「鳥の巣」で有名になった北京メイン会場ですら、800億円で済んだ。前回のロンドンメインスタジアムはそれよりも安い。

これを決めた文科省文科相、森氏、その他関係者の頭の構造を見てみたい。世界最大の借金国が北京の3倍以上もの高額な競技場を作る必要性がどこにあるのかと!槇氏の案は、1000億円程度で出来ると言う。責任者はどうして虚心坦懐に有益な意見を取り入れようとしないのか!

人の外貌をみて、その人を判断したくはないが、ザハ氏の醜貌と槇氏の顔貌を比べれば、どちらが真摯に国のことを思っているか、一目瞭然である。心眼で見抜く安倍総理ならば、二人の違いはしっかりと区別が付く筈だ。

当方は、日本がこうした無理な、馬鹿げた支出を繰り返した結果、アテネオリンピックが今日のギリシャの国家破綻の遠因となったように、日本の10年後を憂うものである。


イメージ 2