ちゃおチャオブログ

日々の連続

最悪のインド旅行記(23)バラナシの街歩き。

ドルガ寺院内の礼拝場。
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ヒンドウ教では珍しい寝仏。
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礼拝を終えて寺院から出てくる人々。
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近くの庭で家庭菜園をしている主婦。
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ベナレス市街の大通り。
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段丘上のだいたいどこのレストランからもガンジスが見渡せる。
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バラナシは古い町とは言え、インダスのガートと火葬場、二つのヒンドウ寺院を見終わると、余り見る所もない。郊外にヒンドウ大学もあるが、大学キャンパスを歩いても、余り得るところもないだろう。又、ラームナガル城というお城もあるが、半年前のトラピックスツアーで何か所か見ているので、敢えてこの町で訪問することもないだろう。

そうした理由で、所在なく町を歩いたり、小売店に入って品定めをしたり、又ガートに出てぼんやり川を眺めたり、呼子に引っ張られ小舟に乗って河上から街並みを眺めたり、又陸に上がって、段丘上の別のホテルの屋上に上って、食事をしながら町を眺めたり、と、この町の強烈な刺激により、中半腑抜け状態になって時間を過ごした。

又夜がやってきて、ホテル屋上のルーフガーデンで、愉快なインドの新沼謙治とビールを飲み交わし、余り弾まない会話をし、客もまばらで、聞くとたまには日本人客もやってくるようで、食事をし、ルーフの手すりにもたれてビールを飲んでいる内に他の客も帰ってしまい、いつまでも一人でルーフレストランにいる事も気が引け、ビール1本を持って部屋に引き上げた。

部屋のベランダからは今晩も又火葬場の炎が見えている。チロチロ複数の赤い炎が生き物のように動いている。小さなランプのようなサイズに見えるが、近くに行ってみれば、大きな炎で燃え盛っているだろう。街灯もない物騒な街。夜の暗闇を迷路のような路地を辿って火葬場まで行く気もしない。行っても、昼間見たと同じように薪の上に横たえられた遺体が大きな木組の上で燃やされ続けているのだろう。遺体は骨になり灰になり、目の前のガンジス川に流される。初めて見る人にとってはかなり驚愕的な出来事だが、二日もこの町にいれば、日常茶飯事の普通の出来事となる。夜の闇をわざわざ火葬場まで見に行くこともない。

明日は早い。4時に迎えのドライバーがホテルまでやってくる。ベッドに横になり、人の生死、人と動物の生死、人種カーストの違い、等々、考えるともなく考えていたら、いつの間にか眠りについていた。静かな夜だ。車の音も音楽も、子供の泣き声も、殆ど一切の音が消えているように、火葬場の炎だけが赤々と音も無く燃えていた。人の生き死に、何も違いはないのだ。




インダス河観光船に乗り込む人々。
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自分も一緒に観光船に乗り込み、川上から湖岸(ガート)を眺める。
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ガートは洪水にも耐えられるように、頑丈な造りだ。
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何艘もの観光船が川を往来している。


今日も又火葬場の火が燃えている。


火は絶えることななく骨になり灰になるまで、朝まで燃え続ける。