その時の経済状況が、消費増税を許さない状況で、もしも上げていれば、再度の不況に陥るかも知れない危険性があり、国民に対する約束を破らざる得ない政策的判断があったとしても、何回にも亙って確約したことを、それを破って政策を推進していくことは、重大な信義則違反にあたる。その政策が結果論として良かったとしても、更にそれ以上に価値の高いものは、人と人の信義則であり、為政者と国民との約束、即ち契約だ。
総理はそれを破った。破ることの大義名分があたっとしても、国民との契約に於いては、重大な違反行為を行った。本来総理はこの時点で、内閣を総辞職し、別の人間に座を明け渡すべきだった。処が総理はあれやこれや理由を繕い、上げなかった正統性を言い繕って、総理の座に座り続けた。
人の良い日本国民はそんな約束破り、嘘つき総理をも、今の景気が悪くないことを是とし、選挙では安倍自民を大勝させた。
「信なくば立たず」は、総理自らが発した言葉である。
総理は本来1年半前に国民に対する信を失くし、言葉は既に空疎となっている。言っていることが信用されないのである。
今回、森友問題で、総理の妻、総理の子飼い、稲田大臣、等々の言動が問題になっている。特に稲田の言動は、ユダとそっくりだ。「私はキリストを知らない。会ったこともない」。3回も嘘をついてキリストを裏切った。籠池をキリストに置き換える訳にはいかないが、稲田が言っていることはユダと同じだ。日本人が、しかも防衛大臣と言う要職にある人間が、最も醜いユダに成り下がっている。
今日の外人記者クラブでの籠池の会見は中止となったが、外人記者から稲田を見れば、そう見えるだろう。
昨日の国会で、総理は今治、加計学園への36億円用地無償譲渡に関し、総理は「加計理事長とは旧知の中で、ゴルフ食事等はしばしばあるが、この獣医学部新設に関しては一切相談も受けていないし、関与もしていない。もしも自分が関与している事実が明らかになれば、職を辞す。」とまで明言していた。しかし、彼のいう約束は約束にならない。
「李下に冠を正さず」。
総理たるもの、やましいことがあろうがなかろうが、国民からそのような目で見られないように、身を慎まなければならないし、もしも、友人間でのそうした疑惑の目で見られたとしたら、即座に総理を辞職すべきだ。