ちゃおチャオブログ

日々の連続

能登の春(36)恋路海岸。

軍艦島駐車場を出て、旧道を進むと、右手に酒蔵宗玄酒造の工場が見えた。宗玄は、こんな場所にあったのか・・。
イメージ 1


宗玄酒造を過ぎて間もなく、恋路海岸へ出た。左手奥が軍艦島の辺りだ。
イメージ 2


この海岸でも先程の軍艦島のような小島がある。
イメージ 3


珍しい奇岩もあるが、観光客は殆どいない。
イメージ 4





軍艦島を見て、能登半島先端部の主だった観光地は取り敢えず見終わった。後は宿舎に帰るだけだが、時間はまだ夕暮れには程遠い。地図を見ると、この先の海岸線には恋路海岸とか五色が浜、九十九湾海域公園とか、魅力的な名前の場所もある。どの道海岸線に沿って帰る予定だったから、ここから真っ直ぐ国道249を通って帰ることも無い。海岸沿いの田舎道を走る方が、却って情緒がある。

見附島(軍艦島)公園の駐車場を出たドライブ道は、国道249号線が開通する以前の旧道で、道路の両側には住宅が押しあって建っている。勿論昔の道路だから歩道などもない。周辺に住宅も多いせいか、先刻の緑剛崎灯台から珠洲までの道路に比べ、通行する車の数も多い。当方、高齢者ドライバー、しかも普段車の運転には慣れていない。歩行者、子供の急な飛び出しとか、対向の無謀運転車には気を付けなければならない。事故を起こしたら旅行の楽しみなど、いっぺんにどこかに行ってしまう。どころか、犯罪者にもなり兼ねない。

住宅の屋根とか塀が道路すれすれまで出張っている旧道をかなり注意深く運転していると、前方に酒蔵宗玄酒造の煙突が見える。昨日国民宿舎で飲んだ酒だ。ああ、珠洲のこんな所にあったのか・・。それにしても宗玄などお坊さんか茶道のお師匠さんか、随分古風な名まえだが、名前からしても歴史の古い酒造家なのだろう。敷地の前に車を停めて外観を眺めたが、見学人歓迎、などの案内板もなく、車を降りて工場をけんがくするのは止めておいた。仮に試飲のお酒が出たとしても、今は運転中だから、試飲もできない。観光案内を見ると、この酒造工場から恋路海岸にかけて「のトロトロッコ鉄道」という簡易鉄道、トロッコ電車が走っているようで、トロッコでやってきたお客さんには振る舞い酒が出されるかも知れないが・・。

その宗玄蒸留所を過ぎると左側の住宅が無くなり、海辺に出る。ここから先左側はずっと恋路海岸となる。誰が名前を付けたのか、随分ロマンティックな名前の海岸だが、浜辺を見る限り他の海岸と余り変わりはない。それは多分、遠くからやってきたペアの男女が、漸く浜辺の見える海岸に出て、一休みし、ロマンティックな気分に浸るには丁度よいタイミングの場所にあるからなのか。丁度浜辺の中ほどにポケットパークがあって、自分も車を停めて一休みし、海を眺める。成程、夜来れば、海上に浮かぶ月を見て、先刻の家持の歌を思い浮かべるとか、五浦の六角堂から眺める月を想像するかも知れない。茫洋とした海の広がりは、涯なく思えた。



これだけ奇麗な浜辺だから、夏場は海水浴客で混むだろう。
イメージ 6


この道路自体が埋め立て地の上に作られていて、道路の中に取り残された嘗ての漁港が見える。
イメージ 5


広々とした浜辺で、来るときに見えなかったが、珠洲の以前の浜辺もこんな感じだったのか・・。
イメージ 7


海水浴客用に、潮止も造られている。
イメージ 8