アメリカ人はどう思っているか知らないが、イギリス駐米大使の本音には、快哉を叫びたくもなる。大使のトランプ大統領についての本国への報告に、大統領のことを「無能で、気まぐれで、一貫性がなく、頭が悪い。対イラン政策は支離滅裂で、ホワイトハウスは内部対立と混沌が酷く、類を見ない程機能不全に陥ちいり、大統領の下で分裂している、」と酷評。
これを知った大統領はカンカンに怒り、もう彼を相手にしないと。日本語の有能なハント外相、巧みにかわし、大使個人と外務省との見解は一致している訳ではない、としつつも大使をカバーしている。懐の広さだ。日本だったら、総理のことを少しでもくさそうものなら、取り巻き連中が寄ってたかって取り払って、無かったことにするが、流石英国は言論自由の国だ。こんなことで大使を召還することはしない。又、米国民の半数も大使と同じように思っているのだから、これでもって外交問題に発展することもない。どちらも言論自由で開かれた国だ。
大統領にちぐはぐさ、首尾一貫しない姿勢は、対イラン、対北朝鮮の全く矛盾する対応でも明らかだ。イランは未だなお原爆は持ってはいない、北は既に持っていると思われている。持っていないイランに対し、ごり押しをし、北に対してはにこにこ顔で、潜在保有を容認するかの態度だ。総理がどこまで考えているのかは知らないが、日本もこうした日和見の大統領には気を付けて対応して行かなければならないだろう。イギリス人の方が余程か思慮深い。