ちゃおチャオブログ

日々の連続

7.12(火・曇/小雨)安倍元首相の功罪。情報統制強まる日本。

 

増上寺で行われた昨日のお通夜には国内外からの要人、2500人以上が焼香に訪れた。その中にはインドネシアでのG20蔵相会議に出席途上のイエレン財務長官や、台湾からの副主席、駐日ロシア大使ガルージン他、各国の駐日大使、政財界の要人が参列した。今日午後、本葬が行われ、霊柩車は自民党本部、総理官邸、国会議事堂等を巡回し、最後のお別れが行われた。巡回道路には沢山の人々が霊柩車を待ち、見送っていた。こんな形で凶弾に倒れ、無念やるかたない思いであっただろうが、最後の旅路は人々から惜しまれ、哀悼され、政治家としては本望だったに違いない。

遊説中に暗殺され、その暗殺犯は政治的動機はなかったとしても、憲政史上4人目の総理経験者の暗殺事件は、歴史の中に長く記録されるだろう。67才、奇しくも父親晋太郎と同年の享年、偶然の符号では片づけられない、何か暗示的な運命を感ずる。

成るべくして52才、最年少総理になり、前後通算8年8か月の最長の総理在任記録を意地になっても樹立し、祖父も叔父も歴代総理も、退任後は一線を退き、大所高所からの政界活動が仕来りだったが、彼は尚第一線に復帰し、自民党最大派閥の長として隠然たる影響力を政界に及ぼし、時と場合によっては、再々度の総理復帰も視野にあったかも知れない欲情のさ中に凶弾に倒れた。それが彼の天命だったのだろう。

30数年前、昭和天皇崩御の際には、今日以上の国内外からの多くの哀惜、哀悼の弔意を受けたが、今回の安倍元首相の突然の死は、その昭和天皇に次ぐ、各国からの国際的な同情の思いが寄せられた。日本を国際的な地位向上に貢献した、近年の最大の功労者だった。戦後レジームからの脱却、日本を世界の中で普通の国に引き上げようと努力しているさ中での不幸だった。最後に残された憲法改正は、後続の後輩議員が成し遂げてくれるだろう。

彼の語りつくせない功績は多々ある。と同時に、政治家である以上罪もある。今だ明らかにされていない広島河合元議員への1億円裏金資金問題、数億円に及ぶ官房機密費、その他1強他弱の中での強引な政官界の差配、プーチンとの関係、等々、隠れた闇の部分も、明かさず死んで行った。マスコミは彼の功の部分をただ礼賛するだけでなく、こうした影の部分も明るみに出すことにより、彼の正当な評価がなされるだろう。

 

奈良暗殺犯山上の言う宗教とは旧統一教会だった。マスコミは昨日までこの宗教名を公表していなかったが、昨日、この教会の田中なる会長が記者会見し、漸くどこの宗教かが明らかなになった。NHKは早くも昨日の段階で、昨日までにストックして置いたこの教会の奈良支部の弾痕の映像や、元の会員のインタビュー映像などを放映していた。

不思議でならない。と言うか、情報統制による、日本の言論の自由の危機感を感じた。日本がロシアや中国のような情報が管理され、人々が自由に発言もできない国になるとは、今すぐには思わないが、政府による情報規制が強まれば、そうした言論不自由の国に陥る危機感も感ずる。

誘拐、身代金事件のように、情報を公開することによって、被誘拐者の命に係わる問題があれば、当然に情報は公開してはならない。報道は規制されるべきだ。しかし、この山上問題、恨みを持った宗教、旧統一教会を秘匿する理由がどこにあるのか! 宗教名を隠す必要はどこにもない。協会側から強い圧力が政府に掛かっていたのか・・。

信教の自由があると同時に、言論の自由憲法で保障されている権利だ。それを公権力で制限、規制してはならない。

奈良県警は2つの過ちを犯した。1つは当然ながら警護の問題で、2つ目は、この情報隠しのマスコミへの強制だ。警護のミスをしておいて、更に又ミスの上乗りをしている。県警本部長は、重大な判断ミスがあったと、再度国民の前で謝罪すべきだ。