ちゃおチャオブログ

日々の連続

5.21(金・曇り小雨)自らの努力で運命を引き寄せる男と、自ら墓穴を掘って沈んでいく男、二人の力士。

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白鳳が幾多の優勝記録、連勝記録を打ち立て、相撲界の記録を一新し、この偉大な記録はこの先100年間は塗り替えられないだろう、と言われているが、又ここに一人英雄が現れた。照ノ富士。昨日の反則負けで15戦全勝優勝の記録は無くなったが、今日の阿武咲の圧勝で、2場所連続優勝を確実なものにした。場所後には当然ながら横審での横綱昇進への審議がなされるだろう。横綱にならなくても、どん尻の序二段から駆け上がって、元の座の大関に復帰した。歴史に残る快挙だ。

彼はケガで連続休業が続き、とうとう番付は序二段まで落ちたが、ケガを治し、腐ることもなく努力を重ね、幕下、十両と優勝を重ね、1年8か月振りに幕内に復帰し、先場所優勝で見事に大関に復帰した。並大抵の努力と精神力ではなかったに違いないが、彼はあくまで謙虚。今日ある自分は親方、女将、フアンの応援があったからだ、と周りへの感謝を忘れない。嘗ての日本人、古武士のような一本筋の通った律儀な力士だ。二人ともモンゴル人。戦後の日本人が忘れてしまった謙虚で自制心強く、努力の人だ。

 

それに比べ、ここに一人の恥さらし力士がいる。相撲協会がコロナ感染を恐れ、今場所も漸く3日目から観客を入れての観戦試合が始まったそのさ中、協会が事ほど強く外出自粛を求めている最中、大場所の二日前まで神楽坂のクラブに出歩き、夜遊びしていた力士がいた。それは取りも直さず昨日から土俵への出入り禁止となった朝乃山。富山出身で、80年ぶりに郷土の力士が優勝し、誰しも横綱最短距離にいると目されていた力士が、自ら墓穴を掘ってしまった。自分で掘った墓穴に自分から入り込み、自滅した。バカな男としか言いようがない。日本人力士の恥さらしであり、白鳳、照ノ富士のモンゴル人力士をより際立させ、引き立てる。

自覚のない力士。大関と言う立場を忘れ、トップに立って後輩力士を先導する立場の人間が、自らルールを破り、遊び惚けている。今場所の取り様をみていれば、文春が書き立てなくても、稽古不足は歴然だ。目の前の横綱よりは、もっと目の前の夜遊びの方に目が移り、素晴らしき相撲人生、力士の栄光を棒に振ってしまった。

 

1年前の去年の7月場所、当時元小結、前頭の阿炎が場所中に飲食店に出かけ、協会から3場所の出場停止処分を受け、幕下まで落ち、先月から心機一転取り直している。照ノ富士はケガによって最下位まで落ちたが、阿炎にしても、もしも朝乃山が残っているとしても、不名誉な不祥事によって幕下に落ちるのだ。彼が本当に心を改める積りでいるなら、歯を食いしばっても努力したらよい。目の前に照ノ富士という立派な見本がいる。頭を下げて照ノ富士の教えを受けるがよい。ただ彼にそうした謙虚さがあるかどうか・・。親方も首を言い渡すかも知れない。

 

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