ちゃおチャオブログ

日々の連続

石垣再訪(20)南の島(パイヌシマ)で夕食後、ホテルに戻る。

琉球絣も落ち着いている。時間が中途半端だが、博物館を出ることにした。

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博物館の直ぐ横には旧政庁、殿地の遺構があった。

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ああ、説明書きもある。それに見事な石壁だ。

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ああ、道路元票の碑。戦前、国道はこの場所からスタートしていたのだ。

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道標を見て遊便局に向かう。前方は730広場だ。

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八重山博物館を出た時点で時間はまだ4時。遅いお昼を取ってから時間もそれ程経ってなく、夕飯までにはまだ大分時間もある。Inaさんの考えでは、ホテルの近くに金城焼肉店があり、今晩はそこへ行きたいとのこと。当方、今晩は勘弁して欲しい。如何にも昨日は飲み過ぎた。今日又飲んだら身体がどうにかなってしまう。Inaさんには今晩は飲まない旨を伝え、別行動とする。Inaさんはそのままホテルに戻って行ったが、ホテルは市街地から少し離れた場所にあり、今ホテルに戻っても、直ぐ又出直さなければならない。中途半端な時間だが、フェリーターミナルへ行き、明日の波照間の運行状況等を確認していれば、その内時間も経つだろう。

 

博物館を出ると、すぐ横に当時の、と言っても石垣港が埋め立てられ、今のようなフェリー乗り場がずっと先の湾の中程まで陸地が増えた以前の、この港が埋め立てる前の昔の形状を留めている遺跡のようなものがあった。嘗ての石垣政庁。その直ぐ後ろは渚だったか、波止場だったと思われるが、前の道路は歴記とした国道。昔の海岸通りの国道で、政庁の並びには博物館を挟んだ先に裁判所もある。沖縄地裁石垣支部と検察支庁だ。そうそう戦前は裁判所ではなく大陪審支部と言っていたが・・。嘗てのこの辺りが石垣行政の大本だった。その表壁の前に古びた国道道標の碑があった。

 

それは戦前の、この島がまだ日本の治世下にあり、ここから国道がスタートするという道路元標だった。この道標の前に立ち、この島の嘗ての政治の中枢に立っている、という思いもあった。ここから少し先にある730交差点は戦後石垣が米軍施政下から日本に返還されたことの記念として作られた国道始点で、ここにある道路元票とは意味も内容も違うのだ。それは今はビルと首都高の谷間に埋もれた日本橋東海道起点表示よりも遥かに重い歴史的意味を持っていた。

 

この道標の直ぐ先の交差点の角に石垣中央郵便局がある。先刻伊原間簡易郵便局で絵葉書を出せなかったので、ここで出せばよい。旅に出ると大体2回は孫に絵葉書を送っている。最初の内はひらがなだけだったが、去年辺りから少し漢字をまじえて送っている。ジジの汚い文字でどの程度読んでもらえるかどうかは知らないが、2月には川平湾と竹富のコバルトブルーの写真絵葉書を送り、孫からは、見たことも無いような綺麗な海だ、との感想をもらった。上の姉は今月からは小学生。下の妹はまだ幼稚園だが、綺麗、汚い、美醜の違いは小さくても分かるのだ。だから旅行中にはいつ、どこからでも出せるように、絵葉書と切手はいつも持ち歩いている。去年は四国巡礼に4回出たが、都合8枚の絵ハガキを送った。

 

それから又少し先にフェリーターミナルがある。おっと、今は石垣ユーグレナターミナルと呼ばれているようだが・・。南雲さん、そこまでやるか。石垣サッカースタジアムのネーミング買取は良いとしても、公共交通機関まで名前を付けることは無いでしょう。東京駅とか大阪駅ソフトバンク東京駅になったら、都民も余り愉快ではないでしょう。まあ兎も角そのターミナルへ行き、明日の波照間行きの運行状況を確かめる。窓口の若い男性、さも残念そうに、「沖合に出たら波はまだ5m、明日もとても無理だ」とにべもない。島外からやって来る客は皆コロナをお土産で持ってくるかのごとき不愛想だ。・・いやいや、もう業務終了直前にやってきた嫌な客と見えたのかも知れないが・・。

 

結局明日もダメか。台風は今日には大東島の遠くに離れて行ってしまったとテレビの予報では伝えていたが、海上の波浪は直ぐには収まらないのだろう。矢張り今回は波照間行は諦めるしかないか。ターミナルでぶらぶらしている内にそろそろ夕食の時間になってきた。もう一度トニーの店に行くのも良いし、昨日昼食を取ったランチ店に行くのもよい。だが、そのどちらも行けばお酒を注文したくなる。矢張り止めて置こう。ランチ店の前の路地をルいていると、「南の島」と書いて「パイヌシマ」とカタカナ書きしている店がある。地元の食事が出来そうだ。昨日はたらふく食べて目一杯飲んだ。今日は大人しくしておこう。入るとそこは居酒屋風の店で、奥の方ではお酒の入ったグループが賑やかにしている。

 

・・うーん、ここで誘惑に負けてはならない。先ずはつき出しの海ブドウ、ンキャッフとこの島では呼ばれている。海ブドウの天ぷら。久しぶりだ。南の島の味。メインは真っ黒なイカ墨ソバ。矢張りこれも沖縄でしか食べられない。店のお姉さんから何か飲み物は?と注文されたが、そこは我慢の一徹。居酒屋で酒を飲まないのも無粋だが、中には下戸もいるだろう。下戸の振りをしていればよいや。そうして今晩はアルコール抜きで通し、ホテルに戻った。

 

沖縄本土復帰を記念して整備された730交差点。前方左手に郵便局本局がある。

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コロナ禍で観光客は激減しているが、コロナが無ければ、この新築ホテルも立派に開業しているだろう。

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フェリーターミナルに来て、明日の運航状況を聞いてみる。しかし、矢張り明日もダメだ。湾内は波静かだが・・。

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今晩はアルコール抜きで、居酒屋パイヌシマ(南の島)で、夕食だ。

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イカ墨ソバと海ブドウ(ンキャフ)、美味しく頂けた。

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