総理の腹の内は分かっている。ただ与野党や国際政治の絡みの中で、腹の内を鮮明にできないだけだ。直ぐにもこう宣明したらよい。
「元より日本は民主国家である。国民に主権があり、総理と言えども犯罪を犯せば刑に繋がれる。今の中国の人民に対する弾圧には民主国家の日本としては反対する。人民の人権は尊重されなければならない。
ただ、日本はバイデンが主導する北京五輪外交ボイコットには組しない。それは日本が義の国で、過般の東京五輪に際し、中国から五輪担当の高位責任者が来日したお返しはする。日本からは五輪トップの組織委員長、山下を派遣する。但し、バイデンやWTO会長が言うように、中国の人権問題には賛成できないので、開会式だけを参加し、その日のうちに帰国する。
中国の歴史は義を重んじる国であった。日本には今なおその儒教精神は息づいている。中国国民３０００年の歴史の中で、その精神が失われてしまったとは思わない。義と共産主義とが相いれない思想とも思えない。日本の総理としては中国が国際社会が望むような民主的な国家、人民の人権が守られる国家に変わってくれることを熱望する。今回の山下派遣の決定は、この先の中国の動向如何によるもので、可変なものである。」
こう宣明することにより、国内外の不毛な論争は排除できる筈だ。
