昨日後楽園で行われたボクシング世界戦。WBA,IBF,バンタム級統一王者の井上尚弥がタイの挑戦者、ジャングルのプレデターと恐れられている男を8回TKOで倒し、自身が持つ世界戦最多連勝を17に伸ばした。
又同時に行われたWBOミニマム級で谷口が11回TKOで相手のプエルトリコ人タイトルホールダーを倒し、初の王者となる。
この二つのビッグタイトル戦をどこのTV局も放映せず、全くの無視。いつもはいろいろなスポーツ競技を放映しているWOWWOWも全くの音無の構え。多くのボクシングフアンは落胆したに違いない。
奇妙なことに、当日夜のニュース、今日のTV各局のニュースやワイドショウでもこの二人の活躍を取り上げていない。唯一、毎日新聞スポーツ欄で二人の快挙を知るのみだ。何かがおかしい。
世界最強の井上に関しては、どこのテレビ局も高額の契約金を払ってまでも実況中継をしたい筈だが、そうした動きは一切なく、こうした今年最大の世界戦が行われることすら知らない人も多かっただろう。
この背景には何があるのか・・。自分から見たら、マスコミ界が結託を組んで、世界最強ボクサーを無視し、表舞台から消し去った、としか思えない。メディアの力は強力だ。一人の男を一躍ヒーローにすることもあれば、全く無視されて、タダの人に貶めることもある。井上、谷口に対するマスコミ界のこの冷淡な対応には、何かそれを取りまとめ、一つの方向に動かして行く巨大なメカニック、組織のようなものが存在しているようにも思える。
国の世論や方向性。マスコミが全員一緒になって、一つの方向性に大合唱すれば、国民は容易に従っていく。戦前の戦争に突き進んだ国民の熱狂がその一つの例だ。報道の自由が損なわれ、思想の自由が制限され、国民は洗脳される。今回の井上無視の対応は、何かそうした危険性を孕んでいる兆候に見えた。