ちゃおチャオブログ

日々の連続

7.20(水・晴れ)安倍晋三、国葬是非論。

 

 

今日は漸く夏空が戻って来た。夏らしい暑さだ。冬寒く、夏暑い。異常気象、不順気候の中で、人の感性が狂ってきているが、矢張り、春夏秋冬、自然のままが良い。

 

石の上にも3年ではなく、僅か1日。明治の元勲、桂太郎は出たり入ったりで都合3回も内閣を組閣し、通算では永らく日本憲政史上での最長内閣総理大臣であった。我が安倍晋三は出たり入ったりは2回しかなかったが、頑張りに頑張って、通算では桂総理よりは1日長く在籍し、記録を作った翌日に辞任した。

 

彼がLegacyとして求めたものは何だったのか。1に北方4島の回復、2に北朝鮮拉致被害者の返還、3に、憲法改正があったかと思われる。勿論竹島は手付かずで、尖閣などは中国の干渉がいよいよ激しくなってきている。この3つのLegacyを成し遂げ、外交を成功させることにより、祖父岸信介のできなかったこと、沖縄返還ノーベル平和賞まで受賞した叔父の佐藤栄作と肩を並べる輝かしい勲章となる筈だった。しかし8年8か月の在任中、これ等は全く成し遂げられず、勲章は得られないことが明らかになった。何でもかでも後世に名を残したい孫の晋三とすれば、これ以上、国会の答弁席に引っ張り出されるのは、金輪際嫌なことだったが、ハタと気が付いたのは、もう少し頑張れば、内閣総理大臣最長記録が樹立できると。幸いに国会は早々と閉会し、この先1か月は国会に呼び出され、やれ「サクラ」の、やれ「モリ加計」の、やれ「河井安里」に、と問い詰められることはない。

 

これだけ長期間総理の座にあったのだから、国民は辞任の弁に期待したが、辞めて3年、国民の耳に何が残っている? 唯一、彼が自慢したのは、アベノミクス対米追従だったが、内実は国を借金漬けにし、1200兆円という途方もない借金に身動きできない状況にし、日本を破綻国家の縁に追い込んだだけだった。国家破綻はもう直ぐ数年先に迫ってきている。彼がここで暗殺されずに、そんな修羅場まで生きていたら、国民から怨嗟の声で追い詰められているだろう。良いときに暗殺された。暗殺されて箔が付き、良き後輩、日和見の岸田は、国葬にまでしてくれるという。嬉しくて涙が出て止まらない。

 

安倍晋三の死は果たして国葬に値するのか。彼の内政、外交の成果は何が評価され、何が不評なのか。国民の約半数が自民政治に反対し、それ以上の多くが安倍政治に反対していた。今のマスコミは殆どが御用提灯に成り下がり、各社競って追悼番組、賞賛番組を垂れ流している。しかし現実には、先の参院選挙結果からみれば、国民の約半数しか投票せず、その内の約半数しか自民に投票せず、選挙結果イコール信認度ではないとしても、先の選挙では自民党は国民の約25%の支持しか得られていなかった。先の選挙が安倍晋三の信任選挙ではなかったとしても、国民の過半数は自民を支持せず、晋三に肩入れしている訳ではない。

 

岸田氏の総理就任時の最初に印象に残っている言葉は、「聞く力」、「聞く耳を持つ」であり、国民や周囲の話を聞きすぎることによる政策変更で、却って優柔不断に見えることもあった。その岸田が今回総選挙で勝利し、頭上の重したるべき元総理が暗殺され、変な自信を持ったかの如き、勇猛果断に安倍国葬を突然に言い出した。その間には国民の声を聴くとか、国会に諮る等のことは一切なく、何を思ったのか、総理の一断で決めてしまった。

就任当初の彼には、明治天皇のご誓文「万機公論に決す」が頭の中にあったのかどうかは知らないが、今回の国葬の決定、国民からの少なからぬ反対論を無視しての、日にちの決定、粛々と押し進める姿勢は、9か月前の姿とは全く想像できない。権力の座に付いて半年余、溺れつつあるのか・・。

 

国葬の大典は、元総理が北方国土の回復、拉致被害者の帰還、個人国民所得の倍増、国富の倍増による常任理事国選任、等々、国民誰しもがもろ手を挙げて賞賛する実績があればこそのもので、暗殺された安倍氏自身が、国葬に値する成果は上げていないと思っていただろう。最後の足掻きの2島返還も阿漕なプーチンにより、一掃された。現総理は、万機を公論に決するでもなく、人の死を利用するがごとき、浅ましき判断をすべきでない。