ちゃおチャオブログ

日々の連続

壱岐・対馬2島巡り(29)島を北上、浅茅湾(あそう)へ。

厳原は小さな町だから、直ぐに郊外に出る。

 

窓の外に綺麗な海外線が見えてきた。

 

多島海と言われるだけあって、小島が多い。

 

 

全員揃ったところでバスは厳原駐在所前を出発し、唯一ある国道を真っすぐ北上する。壱岐は平べったいピザ生地のような丸い島。こちらの対馬は棒のように細長く、しかも高い山が多い。万葉集に詠われた「ありねよし・・(有り嶺よし)」の通りの情景が車窓の両側に広がる。市街地を出て暫く走ると、切通の樹林帯に入り、両側は鬱蒼とした山の斜面である。

 

島は南北に82キロ、横幅は最大で18キロ。如何に縦長の島かはこの地形で想像できるが、この南北の半分程の距離に朝鮮半島があり、司馬の「街道をゆく」にも、島の最北、比田勝に住む住民は漁船で釜山まで映画を見に行く話も出ていた。厳原港博多港が約140キロであり、最北の比田勝からだと、これに数十キロは加算されるから、優に200キロを越えるだろう。比田勝の人は買い物にしてもレジャーにしても博多に出るよりは釜山に行った方が遥かに便利だったに違いない。島を縦貫する国道が出来たのは、何時かは知らないが、国道が出来る以前は最南の厳原から最北の比田勝までは1泊2日の山越えだった。

 

自分の希望としては、最北の比田勝まで行って、そこの韓国展望台から半島の釜山の街並みを眺めたかったが、低廉な阪急ツアーではそこまでの経費と時間も掛けられず、島の半分の浅茅湾(あそうわん)までだった。こういう時、一人で来れたなら、レンタカーを借りて、思う存分走り回れるのだが、今はもう免許証も返納し、個人旅行は夢の又夢だ。小さな市街地を抜け、樹林帯を通り抜けると、右手に海岸線が見えて来る。起伏に富んだ美しい海岸線だ。この島は太古の昔より沈下と隆起を繰り返し、現在の形になったが、その地殻運動で生まれた海岸線だ。バスの中ら綺麗な海の風景を見ているだけで、満足できた。小さな湾に面した幾つかの集落を通り過ぎ、戦前、海軍により人工掘削された運河の上を走り抜け、バスは国道から分岐し浅茅湾の取り付け道路に向かった。

 

海は綺麗で、起伏に富んでいる。

 

浦、浦の小さな集落が時々現れる。

 

ああ、人工掘削された運河の上を通り抜ける。