ちゃおチャオブログ

日々の連続

4.12(水・曇、強風黄砂)カンボジア・シアヌークビル。



 

昨夜、カンボジアプノンペン空港からマレーシア航空の特別チャーター機により19人の特殊詐欺犯グループが日本に強制送還された。日本から派遣された主に警視庁の暴力団対策課の刑事約50人に囲まれての成田送還である。

 

グループによる特殊詐欺犯は最初、中国で活動していたが、摘発され、次にタイに移り、そこも又摘発され、つい最近ではマニラの入管施設を根城にして30数人が一網打尽になったばかりだが、このカンボジアグループはそれとは別に、去年から南部のシアヌークビルのホテル内で活動していた。石川五右衛門ではないが、浜の真砂は尽きても世に盗賊の種は尽きない、の辞世句の通り、連中は所を変え、手口を変えて、悪さを働く。特殊詐欺による被害が1年に100億円を越えるというから、大変な被害額だ。自分も先月Paypay銀行でフィッシングに遭って、3.5万円を抜き取られたが、銀行の対応はお粗末で、誠意がない。

 

カンボジアには数回旅行しているが、その内の1回は、カメラとお金を盗まれ、その時の旅行記は「写真のないブログ・悲しみのカンボジア」で綴った。今から14年前、2008年12月から翌年の1月にかけての旅行だった。今回の詐欺犯事件で、プノンペンの警察署がテレビ映像に出て来るが、自分も盗難被害で、この警察署へ行き、要領の得ない手続きで、時間ばかり取られて、何の役にも立たなかった。自分としてはカメラとかお金よりも、カメラに内蔵されているメモリーが大事で、メモリー回収の為に1万円の報償を払うから、裏社会に伝達してくれと、懇願したが、どの程度通じたか・・。

 

この盗難の翌々日、プノンペンから今問題になっているシアヌークビルまでバスで4時間かけて行った。乗合バスだから、乗用車で行けば2‐3時間で行けるかも知れない。今はもう、高速道路も繋がっているかも知れない。カンボジアで2番目に大きなこの町は以前はコンポンソムと呼ばれていたが、カンボジアの盟主、シアヌーク殿下の名前を取って、いつの頃からか今の名前になった。殆ど内陸国に近いカンボジアで、ここシアヌークビルだけが海に面していて、町の直ぐ近くには綺麗な浜辺があった。又、貨物船の港も整備されていて、大きな貨物船が埠頭に停泊していた。1泊しかしなかったが、思いもよらぬ詐欺事件で、懐かしい町の名前を聞くことになった。

 

ここからタイの国境までは直ぐ近くで、バスで確か2時間も掛からなかった。国境を行き来する人は少なく、外国人はごく少数だった。自分はこのコッコンの通関からはチャーン島に渡ったが、バスの中で一緒になったオランダの青年とは別の場所へ行くとのことで、ここで分かれた。タイ最南端のチャーン島では2日間、ゆっくり過ごすことができた。良い思い出だ。

 

のんびり旅行ではなく、強制送還された特殊詐欺犯19人は、25才から55才までの男性で、年齢層の幅は広い。50過ぎの男性が3人いるという。この内の誰が日本大使館へ垂れ込んだのか今の処報道は無いが、19人の何人かは騙されてカンボジアまで連れて行かれたのだろう。行った処が、ホテルに缶詰めの電話詐欺。安易に裏バイトを考えていた男達に取っては、かなり想定外だったのだろう。逃げるに逃げられず、大使館に垂れ込んだ。19人の内の何人かは知らないが、逮捕送還されて、助かった、と思っている人もいるだろう。

こんなニュースを聞くと、現代の唐行きさん。騙されて、身売りされ、今のベトナムやタイ、サンダカン、女郎にさせられた女性たち。日本で仕事にあぶれた男たちは、上手い口車に乗って、アジアに飛ばされ、今度は逆に上手い口車で、国内の高齢者を騙している。輪廻の世界だ。