ちゃおチャオブログ

日々の連続

5.9(火・晴れ)中国の人権蹂躙、日本外務官僚の不甲斐なさ。

 

 

街中にミサイルをぶち込み、一般市民を無残に殺戮しまくるロシア程では無いが、中国政府の人権弾圧、人権蹂躙も甚だしい。西域、新疆ウイグル自治区での市民弾圧は広く世界に知られ、先進各国から批難が浴びせらえているが、聞く耳を持たない政府は、馬耳東風の如く弾圧を強行する。殺人鬼ロシアと50歩100歩の残忍さである。

 

日本人旅行者やビジネスマンが何ら前触れもなく、突然に逮捕される例が後を絶たない。被疑者となった日本人には身に覚えのない逮捕だ。日本では法律も整備され、人権も守られているが、中国ではスパイ罪の名目で、拡大解釈し、何でもできる状況だ。その反スパイ防止法が更に強化され、中国国外に於いても反中国的言動をした人物は、中国入国時に逮捕できるようになった。

 

つい2か月前、アステラス製薬の北京駐在員が駐在を終えて帰国する際、北京空港で突然に逮捕された。中国政府は反スパイ法と言うだけで、逮捕の理由は言わない。随分時間が経ってから、先月になって外務省中国課の係員が中国公使を呼んで、逮捕理由を聞いたが、具体的理由は聞けなかったようだ。いずれにしても会談内容は明らかにされていないが、中国公使には抗議すらできなかった。アステラス社員は北京の日本人社会で人望があり、スパイ活動をするような人間ではない、と在留日本人の多くが言っているようだが、彼等は声を大にしては言えない。それを言うと、彼等も共犯で逮捕される恐れがあるからだ。社員はこれから裁判が始まるが、でっち上げの証拠に基づく暗黒裁判で、公開もされず、当局の思いのままの判決が下される。外務省は当然それが分かっているのだから、全力を尽くして邦人保護に務めなければならないが、そうした努力の経過は見えてこない。

 

ここに鈴木英司さん問題がある。鈴木さんは訪中200回以上の親中派で、長年日中友好に努力してきた人である。日中青年交流協会理事長でもあったその彼が6年前の16年7月、帰国直前の北京空港で、北京公安局に逮捕された。後で分かったことだが、鈴木氏が中国外交官と昼食をし、北朝鮮に付いての会話があったことが、スパイ罪に当たる、との理由だった。それから6年、彼への虐待が続いた。ホテルの1室に軟禁され、20年に秘密裁判で6年の判決。ホテル拘束期間が算入され、2年の刑期で去年の10月、体重を30キロも落として、漸く帰国した。

帰国後、彼はその体験記を「中国拘束2279日」と題し先月出版したが、中国公安当局の暗部と、心無い日本大使館領事部長を実名で痛烈に批判している。軟禁状態の彼の所に領事部長が面会に来たが、救出に務めるどころか、「まあ、こういうものです」と突き放し、彼は絶望の淵に突き落とされた、とのことである。

 

自分は著書は読んではいないが、中国当局の人権侵害の酷さもさることながら、この外務官僚の酷さ、お粗末な不甲斐なさは語るに落ちる。今彼が外務省のどの部署で、どんな地位についているのか知らないが、こうしたお粗末外交官が日本の外交を担っているのは、国民が困る。こうした役人根性の外交官はさっさと外務省を辞めてもらいたい。国益に添えない外交官は日本には必要ないのだ。