長い喪が漸く開けた。コロナ禍の3年間、日本を初め世界中が喪に服していたが、
日本では今日が喪明け。今日から漸くマスク無しの自由な行動が許される。人々に元気が戻り、社会が活性し、外国からも沢山のお客さんがやってくる。
3年前の2月、乗客乗員4000人を乗せた観光クルーズ船ダイヤモンドプリンセス号が香港から横浜にやって来て、香港から乗船した中国人複数にコロナ感染症状が出て、瞬く間に艦内に広まった。今までコロナには無風状態だった日本に突然の黒船来襲。政府も国民もてんやわんやに度肝を抜かれた。
コロナはクルーズ船内に閉じ込めておくことは出来ず、じわじわ市中に感染拡大し、折からの英仏、イタリア等の爆発感染で医療が追い付かず、日々増大する感染者数と死者数のテレビ報道に、日本人の多くは明日は我が身かと身構えた。政府は声を大にして「3密」の禁止、即ち、人と会わない、旅行もしない、会社もリモート、飲み会禁止、食事は黙食、五輪も延期、とあらゆる人と人との接触を禁止し、蔓延防止、即ちマンボウを強制した。京大の西浦教授などは高度な数式を駆使して、半年後、1年後には死者数はこれ程増加すると、恰も現代の黒死病のごとき警鐘を鳴らし、国民の多くは自宅内蟄居、座敷牢の生活を迫られた。
それが漸く今日そうした閉じ込められた生活から解放され、自由の身になるのだ。晴れて天下の王道を大手を振って歩くことができるようになった。あちこちから祝福の乾杯を上げる声が聞こえてくる。矢張り人間は何からも自由でなければならないと。死からも自由でなければならないと。昨日までのコロナは感染症法上、コレラや赤痢、腸チフス、パラチフス等よりは上の2類に区分され、SARSや結核と同類だった。それが今日からインフルエンザ並みの5類になった。とは言え、弱毒化したとは言え感染症であり、日常生活の中で、他者から感染する危険は常にある。如何に注意していたとしても、感染する危険性は常にある。
いずれWHOがまとめるであろうが、日本では先週までに約3380万人、約3人に一人が感染し、約7万5000人が死亡した。諸外国の具体的数字は不明だが、世界の現状から比べたら、格段に好成績だろう。医学の進んだドイツよりも遥かに好成績な感染者数、死者数だ。日本のレベルから見たら、米国などは後進国並みだ。しかしまあ、それは当然の結果かも知れない。政府がこの3年間で使った対策費は、優に100兆円を越え、厚労省、財務省は未だに明らかにしていないが、関連対策費などを合計したら、200兆円を超えていても不思議でない。各個人への10万円の給付金、使い勝手の悪いアベノマスク、詐欺の横行した持続化給付金、秘密のベールに隠された外国製ワクチン購入費、等々、諸外国に比べたら、数等倍もする税金を投入したのだから、好結果を残さなければドロボーになる。仮に200兆円を使ったとすれば、国民一人当たりは200万円近くの税負担になる。勿論直接の負担ではなく、紙を刷っての国債だ。これだけの税金を使って、80,90過ぎの高齢者にまで手厚く保護し、真綿にくるむ。この付けは全て孫子の世代に負担させると知ったら、生かされた高齢者も心苦しいだろう。国民のWelfareに尚借りた時の政権の人気取でなければ良いだが・・。付は大きい。