ちゃおチャオブログ

日々の連続

6.17(土・快晴)逆恨みの極み。見習い自衛官の逆上。

 

 

世の中にはこうした短略的な人間は数多いる。ホットペッパーならず、ホットテンパーだ。ちょっとした不愉快な言葉を浴びせられたり、そうした態度、長野逆上男のように無視されることによって、悪口を言われていると思い込み、殺人まで犯す幼稚園児並みの男もいる。そこでも凶器として猟銃が使われたが、ここ名古屋の中部方面本部守口駐屯地での機銃による上司殺害も同じ幼稚園児の犯行だ。

 

高校を出てから自衛隊に入隊したのだが、高校までの18年間、人間教育が殆どなされずに成人になった。入隊して2か月、社会の規則、集団の規律、人間としての当然の教育がなされてきたが、今まで自由気儘に生きて来たこの男には耐えられない苦痛だったのかも知れない。ホットテンパーがこの朝、沸点に達し、暴発した。暴発の場所とタイミングが悪かった。殺傷能力の高い機銃を扱う朝であって、彼は何のためらいもなく、感情、逆上を爆発させてしまった。

 

お気の毒なのは52歳の1曹と25歳の3曹。52歳の1曹長は叩き上げで教育指導官まで上がり、もう間もなく退役も間近だった。家族もいただろう。戦争の中の栄誉の戦死ではなく、狂気に狂った飼い犬にかみ殺されたようなものだ。本人としても不本意だっただろう。25歳の3曹も教育隊の補助教育官で、将来を嘱望されていただろう。狂気の凶刃に敢え無く斃されてしまった。両親、兄弟、身内の悲嘆は思いあまるものがある。

 

人によっては、戦後の教育が悪かったと言う人もいる。確かにそうした面はあるかも知れない。道徳、徳目教育をないがしろにし、テストの成績を優先させ、東大、京大を頂点とする教育ヒエラルキーの歯型の中に子供たちを押し込み、そのヒエラルキーから落ちこぼれた若者の救済を考えない。スピンアウトした落ちこぼれは、高額の闇バイトに走り、犯罪集団の予備軍となる。

 

この男に国を守るという大志があったかどうかは不明だが、自分は自衛隊に入りたい、と高校中学の同級生には話していたようだ。だから自衛隊入隊は本人の希望でもあったし、心の底には日本を守るという意識もあったかも知れない。しかし如何せん、ホットテンパーは人間性の大きな欠点、マイナス面であるのだが、今までの長い教育の中で、それが軽減化されることはなかった。職務に殉じた二人の自衛官に深く哀悼し、重傷を負わされたもう一人の25歳自衛官には、健やかな回復を願う。悲しい出来事だ。