飛び立って10数分、窓の外を見ると、もう久里浜上空だ。浜辺が大きく弧を描いている。
三浦三崎の先端部、城ケ島も見える。半島右側の絵の島も見える。
相模灘をひとっ飛びでもう伊豆上空だ。今日は左側座席で、富士山は見えない。天城はどこか??
天気は快晴ではないが、視界はそう悪くはない。下界の景色も十分見ることはできる。伊丹までの実飛行時間は僅かに40分程度だが、下界の景色を追っかけよう。羽田を離陸したJAL機は、直ぐにも横浜沖を通過し、カメラを取り出した時には、既に久里浜沖。九十九里程長くはないが、それなりに弧を描いた湾が見える。9里だから、キロにすると約36キロ程か。
その渚の先端部が尖っている。、三浦三崎だ。半島の先端には小さな島、城ケ島があるのだが、小さすぎて機上からは島影は見えない。何年か前、まだ足が丈夫だった頃、山の仲間と大船からこの城ケ島まで30数キロを歩いたが、その時島と半島を結ぶ橋を歩いて渡ったのが、思い出される。
その三浦半島の先の相模灘もひとっ飛びで、次には伊豆半島の複雑な地形だ。今日は左側の窓で富士山は見えない。駿河湾上空を飛び、次に見えてきたのは遠州灘。これは又真っすぐな直線状の海岸線。小さな港も無く、出っ張りも無く、海岸線を遮るものは何もない。直線状の大きな川が見えるが、それは多分天竜川だろう。そうして機は伊良湖岬上空を飛び、伊勢湾をひとっ飛びして紀伊半島山中に入って行った。
これはもう浜名湖上空だ。
いつもは富士山の見える右側座席を選ぶが、左側の景色も新鮮だ。
遠州灘の真っすぐな海岸線がどこまでも続く。