直線状の遠州灘は、この伊良湖岬にぶつかって、ようやく途切れる。
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ああ、三河湾が湖のようにも見える。
伊良湖岬の直ぐ先はもう伊勢志摩だ。伊勢湾はこの二つの半島で守られている。
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全く目と鼻をくっ付けたような近さだ。
伊良湖岬へは以前山の仲間と吉野の100名山、大台ケ原へ登った帰り、伊勢志摩からフェリーに乗って伊勢湾を横切って岬の先端に上陸したが、今は飛行機からその時の逆方向からフェリーのコースを眺めている。何十キロも続く遠州灘が漸くこの半島にぶつかって、琵琶の先端部のような半島に沿って海岸線は海に消えて行く。
以前来た時も感じたが、この半島が何故「伊良湖岬」と呼ばれるのかは不思議だった。半島の先端部から根元の蒲郡まで約50キロ、細長い半島を走ったが、それらしい湖は全く見られなかった。どうして湖がないのに伊良湖岬と呼ばれるのか??今機上から眺めていて、その謎が半分解けるような気もした。空の上から見ると、半島は蒲郡湾を抱え込むようにして、それは恰も湾では無くて湖のように見えたのだ。伊良湖の「伊良」の意味は分からないが、昔の人は今機上から見る様に高い位置、遠くの位置から俯瞰するように全体を眺め、「湖」と見たのだろう。丁度雪舟の天橋立図のように、随分高い場所からの俯瞰だ。
こうして見ると、岬の先端部と伊勢志摩の間の距離は随分と短い。確かフェリーでも1時間はかからなかったと思うが、本当にくっつき合った感じだ。むしろ伊勢湾がこの伊良湖岬と伊勢志摩との二つに閉じ込められたような感じだ。確かにこの二つの間をフェリーで結べば、ぐるっと大回りして名古屋経由で行き来するよりは相当な時間のセーブにはなるだろう。一昨年鹿児島をドライブしたが、大隅半島と薩摩半島の間に細長い鹿児島湾(錦江湾)があって、二つの半島を結ぶフェリーの航路が幾つかあったが、当然陸地をぐるっと回るよりは、フェリーの方が相当な時間の短縮になる。そんな登山のこと、鹿児島ドライブのことなどを思い出していたら、本当にあっという間に紀伊半島の上空に達した。
伊勢志摩、英虞湾はどの辺りだろう・・
もう紀伊半島、吉野の山並も見えて来た。
紀伊半島、最南端の潮岬に続く海岸線。
吉野の山も見えて来た。