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日々の連続

西国観音まほろば奈良の巡礼記(12)長谷寺本堂からの眺め。

長谷寺の本堂は横の広庭から入る。奥には大師堂が見える。

 

近くには愛染堂もある。

 

さて、これから本堂に入って行く。

 

ああ、懸崖造りで本堂の正面は能舞台になっている。

 

 

奈良の桜井にある長谷寺は、真言宗豊山派の総本山で、全国約3000ある豊山派のお寺の総元締めである。全国豊山派の中の主な寺は東京の護国寺西新井大師などがあり、坂東三十三観音霊場、四国八十八ケ寺の幾つかの寺などが豊山派になっている。将軍家との繋がりが深いせいか、四国松山の札所には豊山派が多い。

 

3段に折れた登楼、即ち屋根付き石段ではあるが、その399段の石段を登り終え、漸く本堂の入り口に着いた。本堂の入り口は「國宝本堂」との縦書きの木札が掲げられていたが、この本堂は江戸時代の建物で、確かに戦前は「國宝」の指定を受けていたが、戦後の現在は重文である。

 

通常、殆どの御寺は本堂の正面に上り階段があって、そのまま本堂内陣に進んで行けるのだが、この寺は階段が正面ではなく、横手に付いている。本堂の横が入り口になっているのだ。そう、この寺も又懸崖造りで、斜面の上に本堂が造られていて、そこには能舞台のような広い広敷きになっている。造りは京都清水と全く同じだ。清水寺も本堂正面には上り段はなく、横手から本堂に回り込む造りになっている。本堂の正面は髙い崖になっているので、階段は作られないのだ。

 

本堂横の入り口から正面に周り、能舞台に出る。目の前は深い谷になっていて、視界はそれ程開けてはいない。むしろ鬱蒼とした森林だ。「隠口(こもりく)の初瀬」の景色だ。万葉の時代と変わらない。近年になって右手奥に五重塔が建てられたが、それは余分な借景だ。むしろ林だけの方がこの寺には合っている。

 

清水寺よりも広い能舞台だ。目の前の緑が深い。流石に隠口(こもりく)だ。

 

懸崖の下には昔の門前町が続いている。

 

右手の高台には五重塔も見える。

 

さて、ご本尊にお参りしよう。