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日々の連続

西国観音まほろば奈良の巡礼記(13)秘仏長谷観音にご参拝。

  • 懸崖造りの舞台から本堂を眺めると、「大悲閣」の大きな扁額が掛かっていた。

この本堂の内陣にご本尊、重文の十一面観音菩薩が安置されている。

 

内部が撮影できないのが残念だ。

 

奈良県桜井市初瀬にある総本山長谷寺の国宝本堂に安置されている本尊十一面観音菩薩は春と秋の年2回御開帳される。その事を知らず、偶々この日、6月28日に参詣したのだったが、実にラッキーだった。入山料500円にプラスして特別拝観料1000円は少し割高の気もするが、お寺を維持する為には必要な経費なのだろう。しかも遠方から遥々やってきた参拝者に取っては、1000円の追加負担はそれ程大きな出費にはならないだろう。

京都の有名寺社では入山料、拝観料を徴収する所も増えてきて、前回参拝した清水寺なども入山料は無料だが、ご本尊の十一面観音菩薩とか能舞台を見るためには特別拝観料400円を徴収していた。世知辛い世の中、昔のように大旦那からの加護や喜捨が年々減って来て、こうした形で参詣者から幾ばくかの拝観料を徴収しないと何十人、何百人もいる僧侶や関係者を維持していくことも大変に違いない。

本堂奥の間に通じる出入り口から背を屈め内陣に入る。薄暗い堂内に大きな仏像が高い天井に届くほどにドンと立っている。圧倒される。高さ10m、日本最大の木造佛、重文の十一面観音菩薩像だ。堂内はシンと静まり返っている。板の間を歩く自分の摺り足のかすかな音さえ聞こえそうだ。

心の中で般若心経を唱え、しずしずと観音像を一巡し、又正面に戻ってきて、台座の上の左右の足指に触れる。多くの参詣者がそうしていたに違いない、その部分がかすかに光っている。重文だから、触れることはできないが、目の届かない処でそうしている人もいるのだろう。長谷の観音、名前では聞いていたが、ここでこうして、僅かに30cmの近さで対面できるとは。

足の悪いのを無理してここまでやってきて良かった。三段に分かれた399段の登楼を休み休み登って来た甲斐もあった。殆ど参詣者のいない内陣で、平安時代以来上皇貴族を始め、沢山の人々に拝まれてきた仏像が静かに立っている。黒目は自分の心を射抜くのではなく、憐れんでいるのかも知れない。この本堂の大きな扁額「大悲閣」は、この慈悲の眼差しを意味していたのかも知れない。撮影禁止になっていて、写真を撮れないのが残念だ。

内陣を囲う内壁の板壁には十一面観音を守る諸仏、声聞、縁覚、菩薩が描かれていて、その最後に壁支佛もあった。壁支佛・・・、初めて見る仏は普通の姿だった。

 

本堂内陣は撮影禁止で写真が撮れなかったが、本堂横の地蔵尊

 

  • 大黒天の御堂もある。

     

    ご本尊に深くお参りし、開山堂に向かう。