海辺のお寺から波止場の前の広場まで戻ると、ホテル関係者の客引きは全員が引き上げていた。
ああ、西日が島の山の端に沈みかけている。
丁度この時間太陽が沈む頃合いだった。
急いでどこか高台へ行かなければ・・・、早く、早く。
ああ、西日はどんどん沈んで行く!
早く見晴らしの良い場所へ行かないと太陽が沈んでしまう!
やむを得ない。坂の上の少し高台にあるホテルの前から眺めよう。(↑の写真の右側のホテル。)
美しい情景だ。
海べりのお寺「観音洞」で暫し山海の大観を堪能し、守り佛の観音様にお参りしてから帰路に着く。ここから波止場のターミナルまでは歩いて10分~15分。直ぐの場所にある。夕方のこの時間、これからもう既に入港する客船もないのか、日中このターミナル広場の前にズラっと並んで客引きをしていたホテル関係者の姿は今は影を潜め、広場の前方の山の端の夕日が沈みかかっている。
南海の小島に沈む真っ赤な夕日。是非か高台まで走って行き、心ゆくまで沈むのを見届けたいが、近くにはそうした見晴らし台もない。已む無く、町へ出る途中の小高い坂の上にあるホテルの外テラスの上から夕日を眺める。真っ赤な夕日だ。海上に漂う水蒸気のせいか、目に見えない細かいスモッグがそうさせているのか、この夕焼けは印象的だ。
西方浄土。この西日の沈む先に浄土があると信じ、昔の人はこの島にやってきた。お寺巡りをし、1日が暮れて行く。この真っ赤に燃える太陽を見て、昔の人はどう思っただろうか。この太陽の行く付く先に補陀落があると信じていたのだろうか。この島へ来て、この夕日を眺め、この島へ来た価値はあった。西日が山の稜線に沈み、夕焼け空が雲に反射し、更にその色合いが薄れていくまで飽かず眺めていた。夕焼けを眺めつつ、先刻石板に刻まれていた般若心経を思い出していた。
南海の小島に沈む真っ赤な夕日。是非か高台まで走って行き、心ゆくまで沈むのを見届けたいが、近くにはそうした見晴らし台もない。已む無く、町へ出る途中の小高い坂の上にあるホテルの外テラスの上から夕日を眺める。真っ赤な夕日だ。海上に漂う水蒸気のせいか、目に見えない細かいスモッグがそうさせているのか、この夕焼けは印象的だ。
西方浄土。この西日の沈む先に浄土があると信じ、昔の人はこの島にやってきた。お寺巡りをし、1日が暮れて行く。この真っ赤に燃える太陽を見て、昔の人はどう思っただろうか。この太陽の行く付く先に補陀落があると信じていたのだろうか。この島へ来て、この夕日を眺め、この島へ来た価値はあった。西日が山の稜線に沈み、夕焼け空が雲に反射し、更にその色合いが薄れていくまで飽かず眺めていた。夕焼けを眺めつつ、先刻石板に刻まれていた般若心経を思い出していた。
太陽は山の端に沈んで行く。
夕日は最後の輝きを見せている。
もう殆ど沈みかける太陽。
素晴らしい夕焼けだ。
最後の輝きを放つ。
残照は空一面を燃やしている。
色即是空 空即是色の世界がそこにあった。
そう自分はこの沈む太陽を見るためにこの島に来たののかも知れない・・。