ちゃおチャオブログ

日々の連続

ビルマ・マンダレー特急旅行(65)夕暮のインヤ―湖。

街を走るバスに「出口」などの標識を見ると、ちょっと戸惑う。
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夕暮時のインヤ―湖には大勢の市民が集まってきている。
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湖面に面するレストランなどは満杯だ。
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屋外で楽しそうに食事している人々も多い。
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衣食住満ちた平和な光景だ。
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軍事政権下のミャンマー、ここ数年開放化政策で徐々に外人観光客も増えつつあるが、基本的には独裁国家の常として、夜の賑やかさ、夜の繁華街などは全く考慮の対象外となっている。陽が暮れると共に門前市の人々の姿も少なくなり、それぞれ家路についていくのだろう。当方もホテルに向かって引き上げることにするが、ホテル近辺では食べるところが無い。そこで途中のインヤ―湖でタクシーを降り、一時ぶらつくことにした。

日没後の湖畔には大勢の市民が集まってきている。湖畔に面したレストランなどは、ほぼ満席状態。店の中に入り切れない客が湖面に面する芝生の上で飲み食いなどをしている。実に平和な光景だ。夜のレジャーも無く、家にテレビも無く、ゲーム機、無論パソコンなどもない。人々は家の外に出て、語らい、食事し、夕暮の一時を楽しむ。多民族国家ミャンマーに於いて、これこそ五族協和の平和を実現している姿がここにある。

こうした平和な光景の中、自分は全くの異邦人。平和な人々の中に入り込む余地すらない。そもそも、夕暮時にこんな場所を歩いている観光客などいない。埒外の自分を思いつつ、遊歩道になっている堰堤の上をずっと先まで、約1キロ程を歩いた。堤の斜面にはあちこち、恋人同士、或いは何人かのグループで、今日1日の幕引きを楽しんでいるようだった。争いの無い国民、仏教徒。この国に於いて、地方の騒乱、民族紛争、などこの光景を見ている限り、信じられないものだった。

約1キロ程の堰堤の端まで行き、そこから又元の場所に引き返す途中、湖面の反対側から丁度月が上がって来た。湖面に映る月。ビルマ戦線に派遣され、戦いに敗れ、飢餓に苦しみ、生死も分からない幽境を彷徨った敗残兵にはこの月も目に映らなかったか・・。或いはこの満月を見て遠く故郷を思ったのか・・。67年前の人々が見た同じ月が湖面に浮かんでいた。
 
 
 
 
堰堤の斜面でも又人々が夕暮の一時を楽しんでいる。
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然しどう見ても平和な光景だ。
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湖面に小島もあるが、まだ観光地化されていない。
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と、丁度湖の反対側から月が上がって来た。
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今日は満月か・・。
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67年前の日本軍敗残兵もどこでどのようにこの月を眺めていたのだろうか・・。
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