ちゃおチャオブログ

日々の連続

ラオス北部紀行(144)深夜の帰国便(最終)。

タイは豊かになったとは言え、路上ではこうした物貰いがまだいる。
 
 
 
地下鉄のコンコースでは、日本の援助により建設された感謝のプレートが掛けられている。
 
 
 
ホームの広告。ビタミン、コラーゲンの宣伝ですね。
 
 
 
スワーナブーム空港。24時間、いつでも人で一杯だ。
 
 
 
程なく離陸した。
 
 
 
 
 
 
ビールもフリーで出してくれて、悪くはない。今日はカールボルグとベトナムのビールを頼んだ。
 
 
 
 
去年の12月25日、初めてベトナム航空を利用し、ハノイ・ドノバン空港経由でバンコクに入国し、翌日26日にはラオスビエンチャンに入り、それからラオスの北部、ジャール平原、更に足を延ばして中国雲南省まで入り、メコンを渡り再びタイに戻って、一昨日チェンライからバンコクに戻って来た。今日1月9日、16日間のラオス北部をメインとした今回の旅も終了する。今晩の深夜便で再びハノイ経由で帰国し、明日早朝には成田に到着する。長い16日間だった。

今回の旅行は以前タイ語サークルに参加していた「タナカーン」さんが夏休みを利用してラオスのバンビエンまで旅行したことに刺激され、計画したのだったが、バンビエンまで行くんだったら、そのちょっと先にあるジャール平原まで行ってみよう、と、今回も又海図の無い旅をしたのだった。

ジャール平原には一つの記憶があった。当時小学生だった自分の脳裏にも、日本の参議院議員がこの平原で忽然と姿を消したとのニュース報道は衝撃的だった。後年、いろいろ戦記物、戦史物を読むようになり、その議員とは辻政信のことであり、陸軍参謀本部の高級参謀で、マレー戦線での銀輪部隊を作戦したこと、緒戦の大勝利で日本中が湧きかえり、軍神の一人として崇められたこと、しかしその裏でガダルカナルで2万人以上の将兵を見殺しにしたり、ノモンハンでは大敗を隠すために生き残った将兵を南方戦線に送り、死線を彷徨わせたこと、等々、邪悪な面の記述を多く目にした。

そうした軍神なのか死神なのか、敗戦時には処刑もされずに生き残り、あまつ、参議院議員にまでなった。同時に海軍の源田実も議員に当選したが、敗戦から立ち直った日本人の戦前回帰、旧五大国の連盟理事国、アジアのリーダーとしての誇りを取り戻すべく、こうした旧軍の指導者への投票行動として表れたものだった。しかし源田は別にしても辻は明らかに作戦指導を間違え、多数の将兵を殺した罪は重大で、連合国により処罰されなかったとしても、日本人の手で糾弾すべきだった。が、しかし、彼は再び国会議員として、表舞台に立ったのだ。

第二次大戦後、ベトナムがフランスより独立し、フランス軍はビエンビエンフーから追い出されて、ベトナムは南北に分断されて混乱している中、彼が何の目的でこのビエンビエンフーにほど近いジャール平原まで行ったのか、又、そこで何をし、どの様な経緯で忽然と消えてしまったのか、語る人もなく残された資料もない為、未だその詳細は不明であるが、彼が消えたジャール平原とは一体どんな場所なのか、大きな興味があった。

行って見たらそこは長閑な平原だった。丘陵が波打つ草原で、平和そのものの光景で、嘗てこの地がパテトラオの本拠地で、B29の絨毯爆撃を受けた地とは、将にその「ジャール」、大きな「石棺」を見るまでは知る由もなかった。今の平和はそうした戦乱、殺し合いの末に得られたものだった。各地で行われる村の祭り「ボール投げ」ゲームに一緒に参加し、この国の民の純朴さを思った。辻に思いを馳せてこの地まで来たが、戦争とは全く異なる光景に触れることができ、心が癒された。


それから更に足を伸ばし、「雲南省」。雲南省は中国の最奥の省の一つで、上海からも北京からも遠く離れている。ジャール平原まで来たら、雲南省は直ぐ北にある。バス便しかない山道を越えて行っても、僅か1日の行程だ。雲南の入り口の街に僅か1日しか滞在しなかったが、その町に住む少数民族、泰族、その他、穏やかな風光を眺め、ある人によれば、この地が日本人の故郷の一つだ、と言われてみれば、納得できないこともなかった。


それから又懐かしのメコンを渡りタイに入国し、6-7年ぶりのチェンライ。この町はこじんまりしたタイ北部の真珠のような町だ。気候も温暖で人も優しく、歴史と文化、自然に富んでいる。当方がタイに住むとすればこの町にしたい、との当時の思いは、今回訪問しても変わらなかった。

こうして16日間の自分に取ってはかなり長い旅も今日終る。後はベトナム航空の出発便を待つだけだ。ハノイで2時間の乗り換え時間があるが、どう過ごそうか・・。2時間では何もできないか・・・。



1年半前の旅行を今日、2014年1月18日、144回目の綴りとして終了する。長い思い出を綴った。今思えば懐かしい数々だ。明日は僅かに5日間の旅行だが、インドネシア、ボロブドールへ旅行する。アジアの3大遺跡、カンボジアアンコールワットミャンマーのパガン、そしてここ、ボロブドールに立つことにより、自分のアジア3大遺跡の旅も完結する。

                                                終
 
 
 
ああ、深夜のハノイ上空だ。
 
 
 
夜でぼやけてよく写らないが・・
 
 
 
深夜、ハノイ・ドイバン空港に到着。
 
 
 
乗り継ぎ待合室に向かう。
 
 
 
深夜の待合室。もう皆さん、ぐったりだ。
 
 
 
成田行きだから、日本人家族も多い。もう明日は成田か・・