ちゃおチャオブログ

日々の連続

ベトナム「ガックリ」旅行記(2)ホーチミン廟。

ホーチミン廟。この廟の中に遺体が安置されている。
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内部は写真禁止である。
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ホーおじさん。こんな感じの痩せて頬のこけた遺体がガラスケースの中に安置されていた。
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二日目の今日は全くの白紙状態。どこへ行くかも決めていない。大体この街にどんな観光場所があるのかも定かに知らない。この町で唯一逃してはならないのは「ホーチミン廟」。ベトナム独立の国父だ。若い頃は抗日運動、その後、フランス植民地からの独立闘争、最後は米軍との死闘。ベトコン、べトミンの時代を通じ、生涯を闘争戦闘に明け暮れた。
 
胡志明」。漢字で書けばこうなる。かと言って彼は中国人でも中国系でもない。生粋のベトナム人だ。本名或いは改姓前の姓は「グエン」という。「グエン王朝」の「グエン」だ。漢字で書けば「阮」だ。「阮朝」王家に繋がる名家の出身かも知れない。併合前の南ベトナムにはグエン・バンチューとかグエン・カオキなどのグエン姓の将軍が何人もいたが、さしずめ、韓国・朝鮮で言えば、李舜臣のような李姓に当たるのかも知れない。
 
不敗の名将軍。シーザー・ナポレオン・東郷に並び称せられるような名将軍で名指導者。今日も大勢の人の列が整然と廟を囲んでいる。これから廟の中に安置されている将軍の遺体にお目見えする為の人々の行列だ。200人位を一単位として区切り、ベルトコンベアに乗せられたように、その人の単位は整然と廟内に吸い込まれていく。
 
最初にパンダが日本の上野公園にやって来た時、観客の波は檻の前で立ち止まってはならぬと、煩くラウドスピーカーや係り員の大声にけし立てられたが、この廟内では一切の物音はしない。床も壁も大理石であるが、靴音すらない。直立不動の衛士が遺体の保存されているガラスケースの四隅に立ち、更には遺体安置部屋の各隅には直立不動で身動きすらしないので、人々は、この厳粛な雰囲気に飲み込まれ、自ずと粛々と静々と、2m程のガラスケースの中に横たわっている「ホーおじさん」に見とれ、コーナーを回る毎に首をケースの方に向け、粛然と部屋を出て行った。
 
そうだ、上野動物園の「パンダ」の比喩はまずかった。これは上野美術館の「モナリザ」の雰囲気だ。モナリザの眼は見る人がどこにいても、目が合うようにダビンチは製作した。製作当時の彼が奈良東大寺の大仏様を知っていたとは思えないが・・。そうした思いを持ってコーナーを回り、「ホーおじさん」の目を見つめたが、彼は瞑目していた。
 
眼と眼を合わせないのが、この国の偉大な将軍様の流儀なのかも知れないが・・。頬のこけた、痩せぎすの遺体は、中国の奥深い山中に住む仙人のようでもあった。そうだ、この場所にこの先100年、200年生き続けるとすれば、彼はベトナムの仙人であるに違いない。
 
 
 
廟を裏側から見たところ。
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廟の裏手にはホーチミン博物館がある。
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胡志明」とは即ち「ホーチミン」の事である。
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霊廟前は広々とした芝生公園になっている。
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